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地震による建物の共振現象

1 目的

(1) 共振について理解する。
(2) 重心の位置の違いによる建物の共振周期の差異や,共振の防止方法について観察し,理解する。



2 準備

画用紙(厚さ0.5mm程度),厚紙,定規,はさみまたはカッター,のり,磁石(またはダブルクリップ),ストップウォッチ等



3 方法

(1) あらかじめ,図のように建物の設計図を画用紙に印刷しておき,はさみまたはカッターで切り分ける。(図1)


図1



(2) 建物の折り曲げる位置(図1の点線と破線の位置)をカッターで軽くなぞり,折りやすくする。折る向きが場所によって異なるので注意する。(図1の点線は谷折り、破線は山折り)

(3) 地面となる厚紙の上に線を引き,その上に建物を折り曲げた上で貼り付ける。

(4) 建物の上に磁石(またはダブルクリップ)を取り付ける。(装置全景の写真)


装置全景の写真


(5) ストップウォッチ等を利用して,地面を様々な周期で揺らし,それぞれの建物の揺れ方の違いを観察する。(揺れの様子の映像)

(6)長さ 8.2[cm]で切り取った2枚の中央にある実線に沿って切り込みを入れ、互いにかませてX字型の筋交いにする。高さ8[cm]のものに筋交いを入れた上で,先程と同様に揺らし,揺れの様子を観察する。(揺れの様子の映像)

揺れの様子の映像


4 結果

(1) 切り取った画用紙は,それぞれ重心の位置の異なる建物に相当しており,必ず特定の周期の揺れに影響を受けやすいことが分かる。
(2) 筋交いを入れると,ほとんど影響を受けなくなることが分かる。



5 留意点

(1) 揺らす周期を把握させるために、その周期に近いテンポの音楽などを再生すると、生徒が揺らしやすい。
(2) ストップウォッチの代わりに,吹奏楽で用いるデジタルのメトロノームを使うと規則正しく揺らすことができる。



6 指導上の留意点

この実験教材は,高等学校学習指導要領「第2章第5節 理科」における
科学と人間生活 (2) 人間生活の中の科学  エ 宇宙や地球の科学  (イ) 身近な自然景観と自然災害
物理基礎 (2) 様々な物理現象とエネルギーの利用  イ 波  (イ)音と振動
地学基礎 (2) 変動する地球  エ 地球の環境  (ア) 地球環境の科学
という項目において利用できる。


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