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赤外線と紫外線

1 はじめに

 光には、人間の目に見える可視光線の他に、可視光線の赤色の光より長い波長をもつ赤外線、反対に可視光線の紫色の光より短い波長をもつ紫外線がある。ここでは、この赤外線と紫外線を使った簡単な観察を行ってみる。


2 赤外線を観察しよう

 赤外線が当たった物体は温度が上昇する。こたつで暖かくなるのはこのためである。接骨院などの赤外線治療もこれを応用したものである。
 反対に、熱をもつ物はすべて赤外線を放出している。火災報知器のセンサーには、火災の熱で発生した赤外線を感知することで警報を鳴らすものがある。自動ドアにも、人間の体から放出されている赤外線に反応してドアが開くものがある。


 家庭にあるテレビやエアコンのリモコンは、赤外線を利用している。この赤外線は可視光線の領域外であるため肉眼では見えない。しかし、デジタルカメラを使うと見えないはずの赤外線が見える。


<肉眼で見たリモコン>

<デジタルカメラを通して見たリモコン>


 デジタルビデオカメラでも同様に赤外線が観察できた。回折格子を用いて赤外線の波長の測定を試みたが、思うようにいかなかった。これは、リモコンから出る赤外線の波長が、幅をもっているためと考えられる。


<デジタルビデオカメラで見たリモコン>

<回折格子を通した赤外線>


3 紫外線を観察しよう

 紫外線は、蛍光物質を光らせる程度の弱い紫外線(紫外線A)、生物がビタミンDを作る際に必要とされる紫外線(紫外線B)、人体を含め生物に害を及ぼす強い紫外線(紫外線C)の三つに分類されることがある。
 ブラックライトと呼ばれる光は、弱い紫外線Aである。このブラックライトを利用して、簡単な実験を行う。


 光る性質をもつ蛍光物質は身近なところにもある。例えば、筆記具の蛍光ペン、蛍光増白剤入りの洗濯用洗剤、お札のインクなどである。それらにブラックライトを当てるとどうなるだろうか。


<蛍光ペン> <洗濯洗剤> <お札>

参考文献

滝川洋二(監修):理科の実験 まるわかりBOOK(成美堂出版、2005)

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