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生徒実験のためのストロボ式水波実験装置




 水波の実験では、リップルタンクに透過光を当てスクリーンに投影する。生徒は投影映像を直接肉眼で見るか、同期によって静止したものを見る。この時の同期の方法として、マルチストロボ、手回しストロボ、豆電球の断続点灯などがある。

 生徒実験を行うことを考えると、従来の水波実験装置にはタンクの固定台や光源、スクリーンなどの設置に大きな場所が必要であったり、光源やリップルタンクの位置を決めることが難しかったり、同期させるのに特別な装置が必要であった。

 ここでは、偏心モータと回転ストロボを一体化することでそれらの欠点を解消し、生徒が自作もできる安価で構造の簡単な水波実験装置について報告する。

1 生徒実験用ストロボ式水波実験装置の製作

 モータ(プラモデル用RE140)の軸に小型ボリューム用つまみをネジ止めして偏心部を作る。これに裏を黒く塗った厚紙製スリット付き円盤を接着する。光源は3Vペンライトを使い、スリットの裏側から水波に断続光をあてる。モータの回転数はミノムシクリップの位置で調節する。

 モータによる偏心運動は割り箸を通って造波球(造波棒)に達する。造波部分は輪ゴムで割り箸に固定し、交換できる。造波球1個でドップラー効果の観察、2個で2波源の水波の干渉、造波棒で平面波の回折の観察などを行う。

 生徒が簡単に作れるよう、部品の多くはプラスチックダンボール(ポリスチレン樹脂製)を使い、厚手の両面テープで接着する。

 この装置は、模型用モータによる偏心運動を水波の振動源とし、回転ストロボのスリットを通過した豆電球の断続光を水波に当てて、水槽の下の白紙を投影面として観察するものである。回転ストロボ自体を偏心運動させることで、常に波源振動と断続光が同期しており、観察者は水を停止状態で観察できる。


(参考文献)

 生徒実験のためのストロボ式水波実験装置;北村俊樹;教理教育;VOL.40;0.2;1992


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