平面体の重心
1 はじめに
市販されている発泡ポリスチレン製のパネルは、軽くてカッターナイフで簡単に加工できるため、様々な形の平面体を作ることができる。このパネルを使って平面体の重心の位置を求め、実際に重心の位置でつり合うか確かめてみよう。 |
2 平面体の重心
物体がいくつかの質点からなり、質点の質量をm1、m2、m3、・・・とする。(図1)
このとき物体の重心Gの位置(xG、yG)は次式で表される。
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図1 |
3 平面体の製作
(1) |
正方形の一部を切り取った平面体 |
一辺が40cmの正方形から一辺が20cmの正方形を切り取り、残った平面体に目盛りを記入する。切り取られて残った平面体や小さな正方形をはり合わせた平面体の重心を求めることができる。(写真1)(写真2) |
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写真1 |
写真2 |
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(2) |
一部をくり抜いた円板 |
半径が21cmの円板から半径の異なる円をくり抜く。(写真3)(写真4) |
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写真3 |
写真4 |
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4 重心の位置を調べる
(1) |
棒の重心 |
下の図のように棒を支持台A、Bで支え、AとBを近づける。Aが棒の重心に近ければAにかかる垂直抗力がBにかかる垂直抗力より大きくなり(NA>NB)、最大静止摩擦力はFA>FBとなる。よって、棒とBの間にはすべりが生じる。逆に、Bが重心に近づけば棒とAの間ですべりが生じる。この繰り返しにより、棒は落ちることなくAとBは1点に近づき、重心の位置が分かる。(図2) |
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図2 |
(2) |
平面体の重心 |
平面体の場合は3つの支持点で支え、それらの支持点を1点に近づけることでおおよその重心の位置を知ることができる。(動画) |
5 平面体の周期運動
模型メーカー販売の4輪駆動車模型の前輪と後輪の回転方向を図3のように変える。模型を逆さに保ち、回転しているタイヤの上に平面体をのせる。平面体がそれぞれのタイヤから受ける動摩擦力の合力が常に板の中心を向くため、タイヤの上にのせた平面体は重心を中心とした周期的な運動をする。(動画) |
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図3 |
6 参考資料
愛知エースネット「デコレーションパネルを用いた力のモーメントの実験」