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ここでは木材を用いた摩擦力に関する実験を紹介する。強力な磁石を用いることにより、滑走台となる木材をいろいろな角度で黒板に固定することができる。滑走台には2m程度の長い木材が使用できるため、教室で行う演示実験として活用できる。 |
(1) | ここではヒノキ板を滑走台とした。板が反るのを防ぐために2枚のヒノキ板(1.82m×44mm×14mm、1.82m×30mm×10mm)を木工用ボンドではり合わせる。(写真1) |
(2) | ヒノキ板に穴を開け、強力磁石(写真2)をねじとちょうナットで固定する。 |
(3) | 板に分度器を両面テープではり付け、糸のついたおもりをピンでつるすことにより、滑走台が水平面となす角度を調べることができる。(写真3) |
(写真1) |
(写真2) |
(写真3) |
(1) | 黒板に滑走台をセットする。物体を滑走台に置いて、ゆっくりと傾ける。物体が動き出した角度で滑走台を固定し、摩擦角を測定する。 |
(2) | 滑走台や物体の表面に紙など他のものをはり付けたり、物体の種類を変えることにより様々な物体間の摩擦係数を測定することができる。表1は実験結果の例である。 |
4 直方体が倒れる角度
木片を滑走台に置き、滑走台をゆっくりと傾ける。倒れた瞬間の台が水平面となす角度を測定する。表2は実験結果の例である。 |
(動画) |
5 授業における活用例
摩擦角の測定では物体が同じ材質であっても、物体の形や表面の状態により大きく実験結果が変わる。身の回りのいろいろなものについて摩擦力を調べ、摩擦力を小さくしたり、大きくしたりする方法を考えてみよう。 |
単 元 | 「物理基礎」の「さまざまな力」 |
〔導 入〕 | 静止摩擦係数について学習する。 |
〔展 開〕 | さまざまな物体について摩擦角を測定し、静止摩擦係数を求める。 探究的学習の要素を取り入れる場合は、摩擦角が何を示すか説明せずに摩擦角の測定を行う。 摩擦角が物体の質量や接触面積により変化するか、材質による違いはあるかなどを測定結果から判断し、摩擦角と静止摩擦係数の関係を考察する。 ※繰り返し実験することで静止摩擦係数が変わる場合があるので、予備実験等で確認しておく必要がある。 |
〔まとめ〕 | 全体で摩擦角から静止摩擦係数の導出する方法を確認し、班ごとの考察が正しかったか確認する。摩擦角から容易に静止摩擦係数を求められることを学ぶ。 |