back |
2球の衝突
1 目的
質量が大きなスーパーボールの上に質量が小さなスーパーボールを乗せて落下させると,地面から跳ね返った時に,小さなスーパーボールが勢いよく跳ね返る。これは,見た目にもダイナミックな実験であり,高校では,運動量保存則と反発係数の式の考え方から簡単に解明できる実験でもある。しかし,上手に落下させることが難しく,小さなスーパーボールが思いも寄らないところへ跳んでいきやすいという難点がある。そこで,安全かつ簡単にこの実験ができるようにするとともに,飛び跳ねた高さを測定することを可能にすることで,反発係数を求めることができるようにする。 |
2 準備
[器具] | 大小のスーパーボール,つり糸,フック,ドリル(プラスチック用),ストロー,U字くぎ,メジャー |
3 方法
(1) |
大小のスーパーボール(今回は大:直径75mm,小:直径20mmのものを使用)にドリルで中心を通るように穴を開け(写真1),ストローを2つ折にして穴に通す(写真2)。 |
写真1 | 写真2 |
(2) |
小さなU字くぎ(今回はクリップを加工したもので代用)を床に刺し,つり糸を結び,2つ折りしたストローの間に糸を通す。天井にフックをかけ,糸をかけて,軽く引っ張り糸を固定する(写真3)。 |
写真3 |
(3) |
大きなスーパーボールを真上にゆっくりと持ち上げ,静かに手を離して,スーパーボールの動きを観察する。 |
4 結果・考察
今回の実験では,50cmの高さから落下させると,小さなスーパーボールは180cm前後まで跳ね上がることが観察された(動画1)。また,1mの高さから落下させると,天井の高さまで跳ね上がった。 |
5 留意点
(1) | ストローはボールからはみ出さないようにする。 |
(2) | スーパーボールを持ち上げる時には,糸が左右にぶれないように確認しながら持ち上げる。 |
6 指導上の留意点
この実験教材は,高等学校学習指導要領解説(理科編)における | |
物理 | (1)様々な運動 イ運動量 |
という項目において利用できる。 |
back |