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円運動と単振動
1 目的
単振動の説明をするときに,教科書等でも「等速円運動の正射影と同じである」という表現をよく用いる。確かにそうなのだが,生徒たちにはイメージしづらく,単振動の理解に結び付かない生徒も多い。そこで,等速円運動とばね振り子による単振動の動画を見比べることで単振動が等速円運動の正射影に対応することを確認する。 |
2 準備
[器具] | ばね,鉄球,電動回転台,ピンポン玉 |
3 方法
(1) |
鉄球をばねに吊るし,つり合いの位置で静止させる。回転台上にピンポン玉を固定した後,鉄球が静止した高さと回転台の中心の高さを合わせて回転台を壁に固定する(写真1)。 |
写真1 |
(2) |
鉄球を下に引っ張った後,手を離す。鉄球の振動周期と回転台の周期が等しくなるように回転台の周期を調節する。 |
(3) |
再び鉄球を下に引っ張り,ピンポン玉が最下点を通過した瞬間に手を離す。 |
4 結果
(1) | 鉄球とピンポン玉の高さが常に等しくなっている様子が観察できる(動画1)。 | |
上の(動画1)が見られないときはここをクリック。 | ||
(2) | 横から観察すると一致している様子がよりはっきり分かる(動画2)。 | |
上の(動画2)が見られないときはここをクリック。 |
5 留意点
(1) | 今回使用した動画1,2は,途中からスロー再生となっている。 |
(2) | ばねは比較的ばね定数が小さいもの,鉄球は比較的質量が大きいものを使用し,周期を長くした方がよい。 それは周期を長くした方が@電動回転台の調節がしやすい,A手を離すタイミングがとりやすい,B観察しやすい,からである。 ただし,あまりばね定数が小さすぎたり,鉄球の質量が大きすぎると,時間と共にばねが伸びてしまい,振動の中心や周期がずれる可能性がある。 |
(3) | 水平面上でも実験は可能だが,ばねによる運動は鉛直方向のほうが安定しやすい。 |
6 指導上の留意点
この実験教材は,高等学校学習指導要領解説(理科編)における | |
物理 | (1)様々な運動 ウ 円運動と単振動 |
という項目において利用できる。 |
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