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P波とS波の違いを調べてみよう


1 はじめに

 震源で発生した振動が波となって伝わったものが地震です。その地震のゆれは、初めに伝わる小さなゆれ(初期微動)と後に続く大きなゆれ(主要動)があります。そのゆれの伝わり方やゆれの大きさを調べてみましょう。

2 準備するもの

・角材(長さ1mぐらいのもの)
・ナット(10個)
・ヒートン(10個)
・たこ糸(長さ10m)
・ペンチ
・セロハンテープ

3 作成の手順

@  角材の中央に10cm間隔でヒートンを取り付けます。

 ヒートンの大きさによっては、あらかじめ、キリで穴を開けておいてから、ヒートンを取り付けると、角材にひびが入るのを防ぐことができます。

 

A  たこ糸で、写真のように長さ30cmの輪を作ります。
 そして、ヒートンにつり下げます。


B  たこ糸で、写真のように長さ6cmの輪ができるように、ットと30cmのたこ糸に通して結んでいきます

C  机の上に台を置いて角材を固定します。


4 結果

 実際に右端のナットをゆらして、ゆれが伝わる様子を観察してみましょう。



上の動画が見られないときはここをクリック

 端(画面の右の外)のナットをゆらすと同時に二つの波が発生し、左隣のナットに伝わっていきます。
 P波は、S波よりも速く伝わります。そこで、画面では、初めにP波のモデル(左右にゆれて見える)が観察でき、次にS波のモデル(大きくゆれて見える)が観察できます。

 実際の地震で、震源にあたるのが、最初にゆらした画面の外にある右端のナットです。そして、初めに観察できた左右のゆれが初期微動で、次の大きなゆれが主要動です。

5 先生方へ

 この装置で観察すると、ゆれが伝わる速さが遅いため、P波(初期微動を起こす波)S波(主要動を起こす波)の違いを確認することできます。
 また、角材や糸を長くすると、はっきりP波とS波の違いを観察することができます。

 下の写真のようなばねを使った実験装置やゴムと綿棒を使った実験装置などでも、ゆれの大きさや速さの違いを観察することができます。

 【ばねを使った実験装置】

 ばねをゆらす方向によってゆれ方が変化したり、ゆれの大きさが変わったりします。
 また、波の疎密がよく観察できます。
 【ゴムと綿棒を使った実験】

 綿棒の端をはじくと、綿棒がゆれていく様子が観察できます。
 ゴムの部分に目印を付けておくと、ゆれ方が二つあることが分かります。
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