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気孔を分類しよう

 植物のからだの表面には、気孔というあなが開いています。この気孔は、とても大切な役割をしていて、酸素や二酸化炭素の出し入れ、そして、蒸散の水の出るところにもなっています。
 さて、こんな気孔ですが、これも生物の多様性で、いくつかに分類することができます。孔辺細胞(気孔を囲む細胞)を囲む細胞の形が違うのです。
 孔辺細胞を囲む細胞の形には次の8種類があります。いろいろな植物の気孔を観察して、どの型になるのかを分類してみましょう!

1 気孔の8つの型

1 キンポウゲ型 2 アブラナ型 3 アカネ型 4 ナデシコ型
5 サトイモ型 6 ヤシ型 7 ミズアオイ型 8 アヤメ型

2 8つの型の定義

1 キンポウゲ型 孔辺細胞が形や大きさの違う細胞で囲まれている。
2 アブラナ型 孔辺細胞が3個の細胞で囲まれている。
3 アカネ型 孔辺細胞が両側をたてに平行な2つの細胞で囲まれている。
4 ナデシコ型 孔辺細胞が2つの細胞で囲まれていて、その細胞のつぎ目が気孔の縦線と同じように接している。
5 サトイモ型 孔辺細胞が4〜6個の細胞で囲まれている。
6 ヤシ型 孔辺細胞が4〜6個の細胞で囲まれていて、その内2個は丸く、周りの細胞より小さく、気孔の両端に接している。
7 ミズアオイ型 孔辺細胞が側面に1個ずつの細胞をもつ。
8 アヤメ型 孔辺細胞の周りに特別な細胞をもたない。

3 観察するもの
 ・アジサイの葉   ・セロリの葉   ・シュロチクの葉   ・ツユクサの葉   ・ネギの葉   ・トウモロコシの葉   ・ホウセンカの葉   ・ホトケノザの葉


4 用意するもの
 ・ピンセット   ・スライドガラス   ・カバーガラス   ・スポイト   ・顕微鏡


5 方法
 (1)葉の裏側の表皮をはがす。
 (2)プレパラートを作る。
 (3)顕微鏡で観察する。

方法

6 結果はこちら・・・

キンポウゲ型 アブラナ型 アカネ型 ナデシコ型 サトイモ型 ヤシ型 ミズアオイ型 アヤメ型
ホウセンカ セロリ アジサイ ホトケノザ ツユクサ シュロチク トウモロコシ ネギ

これは何型でしょうか?

○先生方へ
 たくさんの材料を用いて行う活動なので、時間は長くかかります。しかし、同じ操作を繰り返すことで、顕微鏡の扱いや、スケッチの技能が高まります。
 たくさんの植物の気孔周辺の観察をすることで、植物の斉一性と多様性を実感することもできます。
 中学校の選択学習の教材として取り上げていただけると、科学的な力を伸ばすひとつのきっかけになると思います。

上の写真は、「キンポウゲ型」です。

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