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ヨザル


 ビジターセンターを通り過ぎ、坂を上ると見えてくるのが南米館です。この中に入ると暖かく感じます。ここでは、南米の気候と同じ暖かさの中でサルがいます。
 この南米館の一角に、真っ暗な部屋があります。目が慣れてくるまでじっと待っていると、何やらゴソゴソと元気よく動き回っているサルが見えてきます。それがこの「ヨザル」です。
 



1 真っ暗に近い中で元気よく動き回るヨザルたち

 ヨザルは名前の通り、夜に行動するサルです。夜行性だけに、真っ暗な所でも元気に動き回ることができます。写真は、撮影のためにフラッシュの明かりを出して撮影したものです。場所を次々に移動しているところから動き回っていることが分かると思います。


2 「目の大きさ」と「におい」に注目

 南米館へ入ると独特のにおいがします。このにおいこそ、動物の生きる知恵なのです。実はこのにおいはサルが出しているものなのです。
 においを出してサル同士がお互いの動きを知り、真っ暗の中でも行動ができるようにしています。
 目が大きいのもこのサルの特徴です。この目は、少しの光でも集められるように発達したものです。
 においと目は、夜、行動するのにとても役に立ちます。



3 倉庫(バックヤード)で頭骨の標本を見せてもらいました

 モンキーセンターは創立されて50年あまりたちます。ここでは長きにわたってサルの標本を整理し,研究のために大切に保存されています。
 その標本が多く貯蔵されている倉庫(バックヤード)でヨザルの標本を見せていただきました。
 この標本から、頭の大きさに対して、目の占める割合が多いことが分かります。これからも、非常に目が発達していることが分かります。
 
 



4 学芸員さんに、シャーマンの特性を聞いてみよう!


モンキーセンター学芸員 高野さんの話

 ヨザルは、南米にすむ新世界ザルに含まれる夜行性のサルです。夜に活動するサルなので、光を効率的に集められるよう、目が大きく発達しています。
 しかしこのヨザル、他の夜行性のほ乳類の多くがもっている特徴を欠いています。夜行性の動物には、眼球にタペタム(輝板:こうばん)と呼ばれる、光をより効果的に網膜に集める構造をもつものが多く、タペタムをもつ動物にライトを当てると目が銀色に輝いて見えます。 ところが、私たち人間を含むタペタムをもたない動物の場合、目が光って見えることはなく、ストロボを使って写真を撮っても「赤目」になるだけです。
 そして、夜行性のヨザルは大多数の昼に活動するサルと同様に、タペタムをもたないのです。これは、ヨザルはタペタムを必要としない昼行性の祖先から進化してきたためだと考えられています。
 日本モンキーセンターでは、南米館のホールでヨザルを見ることができます。






問題 ヨザルはどんな特徴をもち、どのような動きをすることができるのでしょうか?