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牛乳で積乱雲を作ろう

1 はじめに
 地表近くで温められた空気は上昇気流となって上昇し、やがて雲になります。本来空気は無色透明なので目で見ることはできません。しかし、ビーカーの中でのモデル実験として、牛乳を使うことにより、温められた牛乳が上昇していく様子を観察することができます。温められた白い牛乳が、どのように上昇していくのか実験してみましょう。

2、準備
 コップ(ビーカー)、ストロー、冷たい水、冷たい牛乳、ライター、ろうそく、三脚、金網

3、

(1)コップ(ビーカー)に冷たい水を入れ、三脚の上に置く。中の水が静止するまでしばらくそのままにしておく。
 次に冷たい牛乳をストローで吸い取り、コップの底に静かに入れていく。



(2)約1〜2cmの層になるまで入れる。
※牛乳が水と混ざらないように、できるだけ静かに注ぐ。牛乳と水が混じってしまったら、初めからやり直す。


(3)ろうそくの炎がちょうどビーカーの底を温めるように高さを調節し、下から熱する。


(4)しばらくすると、ろうそくの炎で温められた牛乳が、積乱雲のように上昇し始める。


(5)コップの中に積雲状の雲のモデルができるのを観察する。


(6)温め方の違い、水や牛乳の温度の違い、気温によって、上昇の仕方も変わる。
 この実験から対流の様子も観察できる。



<先生方へ>
 中学校の選択授業(気象を扱った発展的な学習)で、実際に生徒と実験しました。実験の時間は準備を含めて30分ほどでした。牛乳は給食で余ったものを使いました。ろうそくに火をつけても、しばらくの間は何の変化もありません。しかし、急に牛乳が入道雲のようにニョキニョキッと立ち昇る様子に生徒も歓声を上げていました。
 「温められた空気は、周りの空気と比較して軽くなり上昇する」という気象現象を目で確かめるときに、この実験が役に立ちます。


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