back |
納豆を作ろう
−納豆菌の培養−
食卓で見かける納豆。身近な食材ですが、これは、納豆菌のはたらきによってできたものです。市販の納豆を、煮た(蒸した)大豆に混ぜるだけで、納豆菌が増えて、納豆ができます。 この納豆菌、実は、身近に存在するものだということ、知っていますか。 自然に存在する納豆菌(納豆菌はどこにでも存在しますが、とくに、稲わらが大好きです)を利用して、納豆を作ってみましょう。 |
○用意するもの
・稲わら
・大豆(水煮大豆)
・たこ糸
・新聞紙
・なべ
・恒温器(こたつ)
○方法
@水煮大豆を用意する。
・大豆を洗った後、約3倍の水に一晩浸しておく。
・翌日、弱火で5時間煮る。
(市販されている水煮大豆を使うと、煮る必要はない)
Aわらづとを作る。
・片手で握れるくらいの量の稲わらを用意し、ごみや枯れ葉を取り除く。
・稲わらを束ね、下部をそろえ、下から30pのところをたこ糸でしばる。
・しばったところより上の部分のわらを1本1本丁寧に折り返す。
・下から3pのところを固くしばり、先の方をはさみで切りそろえる。
※わらづと:わらを束ね、中へ物を包むようにしたもの
Bわらづとを沸騰した湯の中に入れ、10分間煮る。(消毒)
C水煮した大豆を、わらづとの中に入れ、見えなくなるように整える。
DCを新聞紙に包み、恒温器(こたつ)で約40℃に保つ。
E2日後、わらづとを半日から1日間、風通しのよい日かげに放置しておく。
○実際の例
片手で握れる程度です。
下から30cmほどの所を縛ります。
折り返して、反対側もきつく縛ります。
余分なわらを切りそろえます。
煮沸消毒します。
水煮大豆を適量入れます。
新聞紙で包みます。
3日後には、納豆菌の培養に成功!
○納豆菌について ・納豆菌は、どこにでも存在します。とくに好きな場所は、稲わらです。 ・納豆菌を培養して納豆を作ることは、縄文時代に始まり、奈良時代には定着していたと言われています。 ・納豆には、1gに10億以上の納豆菌が存在します。 ・納豆菌は、熱に強いので、煮沸消毒にも耐えることができます。 ・納豆菌は、酸性にも強く、胃酸にも耐えることができます。 ・納豆菌は、ナットウキナーゼという酵素を作ります。食べると血液の流れがよくなります。 |
○先生方へ 納豆菌の培養によって、見事に納豆ができあがることと思います。 しかし、食品として食べることはおすすめできません。わらづとを煮沸消毒してから培養を行いますが、雑菌の繁殖を100%防げる保証はないので、培養実験として扱っていただきたいと思います。 中学3年生では「生物の生活とつながり」において分解者としての菌類、細菌類の役割を学ぶ場面があります。この発展学習として、または選択理科、自由研究として活用できると考えます。 |
back |