back


太陽系模型の製作

 

1 はじめに

 図鑑や教科書などには、太陽系の惑星の大きさや並び方を表した図が、数多く載せられている。これらの図では大きさの比較は正確に描かれているが、距離は正確に表されていない。そこで、フォームポリスチレン球等を用いて、縮尺10億分の1の太陽系の模型を製作し、惑星間の距離の大きさや、宇宙空間の広さを感覚的にとらえられるようにした。

2 材料

(1) 天体本体

天体名
 
天体の直径
    km
模型の直径
    mm
使用する材料
 

水 星
金 星
地 球
火 星
木 星
土 星
天王星
海王星
冥王星

太 陽

   4878
  12104
  12756
   6794
  142796
  120536
  51120
  49520
   2282
   3476
 1492000
    5
    12
    12
    7
   140
   120
    50
    50
    2
    3
   1500
      紙粘土など
      12φ木製球
      12φ木製球
   7φプラスチックビーズ
  140φフォームポリスチレン球
  120φフォームポリスチレン球
   50φフォームポリスチレン球
   50φフォームポリスチレン球
      紙粘土など
       紙粘土など
    模造紙(B全版2枚半)

(2) その他の材料

ポリスチレン板 
台座用板    
        
支柱      
        
絵の具     
木工用接着剤  
ペットボトル  
ボールペン軸  
テープ     
スプレー塗料  
土星の輪用
木星・土星用
天王星・海王星用 
木星型惑星用   
その他の天体用  

絵の具の定着用  
土星の輪固定用  
木星族惑星補強用 
土星の輪塗装用  
土星の輪着色用 
0.5mm 厚透明 28cm角以上のサイズ 1枚
最大径15cm ホオ材八角形板 2枚
直径6cm  ホオ材円盤 5枚
直径6cm  木製丸棒 長さ15cm 6本
串カツ用竹串(または竹ひご) 6本
赤、橙、黄色、緑、青、白、黒など
酢酸ビニル系
透明な角形のもの
支柱の棒が入るもの 2本
セロハンテープ・透明ビニルテープなど


3 模型の製作

(1) 台座

 台座用円盤に、ドリルで穴を開け、丸棒や竹串を差し込んで接着する。
 発泡スチロール球は、球の中心近くまで丸棒が入るよう穴を開けておく。運搬時に抜き差しする事が多い場合には、スチロール球の穴に、ボールペンの軸を入れて補強し、ボールペンの軸の中に丸棒をが入るようにすると良い。

(2) 木星型惑星模型本体の着色

 フォームポリスチレンは水をはじくので、水彩絵の具では着色できない。そのため、絵の具とほぼ同量の木工用接着剤を加えて着色する。

 それぞれの惑星の色は、図鑑、教科書などを参考にする。ただし、それらに使われている図は、想像図として描かれたものや、コンピュータによって色が誇張されたものも多いので、出典には注意を要する。なお、惑星表面の模様については、NASA(JPL)のホームページに、惑星の地図があるので参考にすると良い。(http://maps.jpl.nasa.gov/)    

(3) 土星の輪

 透明ポリスチレン板を環の形に切り抜き、環の明るさの違いはスプレー塗料を塗り重ねた回数で濃さを変えて表現する。

 上の表に合わせて紙に円を描き、ポリスチレン板に写し取ったあと、A環の端で全体を丸く切り、土星本体の入る部分に穴をあけ、ヤスリで整える。その後、環全体をセロハンテープなどでマスキングし、環や空隙の輪郭に沿ってカッターナイフで切り込みを入れる。
 塗装は、最も明るいB環から順にマスキングテープをはがし、塗料を少しずつ吹き付けて塗り重ねていくと、環の明るさの違いをうまく表現できる。

 塗装をするかわりに、ポリスチレン板の表面を紙ヤスリで擦って荒らし、白っぽくして環の明るさ(濃さ)を表現することもできる。
 環を土星本体につけるには、角形のペットボトルの曲がりにくい部分(溝など)、を図のように切り取り、本体の赤道より少し下の部分3カ所程度に刺しておき、環が止まるようにすると良い。

(3) 地球型惑星

 木球やプラスチックビーズを使う場合は、木星型惑星と同様に着色する。
 紙粘土を使用する場合は、ちょうど良い大きさになるように丸め、竹串の先に刺して乾かす。その後、絵の具で着色し、ニスで仕上げる。

(4) 太陽

 模造紙2枚半を貼り合わせて、直径約1.5mの円を作る。壁面に掲示して利用する。

 

4 模型の配置(模型間の距離)

 模型を縮尺に合わせて配置する場合、太陽を中心として下の表のような距離に配置する。月は、地球から38万km離れているので、模型の場合には地球から38cm離す。

平均距離

水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星 冥王星
実際(億km) 0.5790 1.0820 1.4960 2.2794 7.7830 14.2939 28.7504 45.0445 59.1513
模型(m)   58  108  150  228  778  1429  2875  4504  5915 

 縮尺に合わせて模型を置いていくと、宇宙の広さを理解させるうえで大変有効である。ただし、木星以遠の惑星については、距離が大きすぎて模型を配置することは難しいので、学校(の理科室など)に直径1.5mの太陽を置いたとき、それぞれの惑星の模型をどのあたり置いたらよいかを示す地図を、作成しておくと良い。
 次の図は、例として愛知県総合教育センターの玄関に太陽の模型を置いたとき、各惑星の軌道(平均距離の円)がどこを通るかを示したものである。





                        参考:天文年鑑1999年版


back