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昆布からのアルギン酸の抽出
1 目的
昆布からアルギン酸を抽出し、増粘剤として食品に添加されたり、人造イクラの原料として使われたりしているアルギン酸ナトリウムとして取り出す。 |
2 準備
ビーカー、漏斗、ガーゼ、薬さじ、ガラス棒、昆布、2%過酸化水素水、炭酸ナトリウム水溶液、エタノール、希硫酸、水酸化ナトリウム水溶液 |
3 方法
(1) | 昆布を細かく切って2%過酸化水素水200mlに一晩つけて脱色した後、蒸留水で数回洗って余分な過酸化水素を除く。 |
(2) | 脱色した昆布を取り出し、炭酸ナトリウム水溶液に一晩浸しておく。 |
(3) | 四つ折りにしたガーゼを漏斗において昆布の抽出液をろ過する。 | |
(4) | 抽出液に希硫酸を加えていくと、ゲル状のアルギン酸が析出してくる。 | |
(5) | 析出したアルギン酸のゲルを(3)と同様にろ過、蒸留水で洗浄する。 | |
(6) | (5)に2mol/l水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加え完全に溶かし、アルギン酸ナトリウム水溶液とする。 | (7) | (6)に多量のエタノールを加えると、アルギン酸ナトリウムの白い沈殿ができるので、取り出してろ紙で水分を取り除き風乾する。2.5gのコンブから約0.4gの白色のアルギン酸ナトリウムが得られる。 |
4 備考
アルギン酸は分子量5万〜20万の高分子化合物で、分子内に多数の遊離カルボキシル基を持つため、アルカリ金属イオンの存在下では水溶液となる。また弱酸であるので、強酸の作用により、水に不溶性のアルギン酸となって溶液から遊離する。 |
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