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紅花染め
1 目 的
紅花の染色の実験を通し,染料について学ぶ。
2 準備
[器具] | 紅花の乾燥葉(薬局などで購入できる),バット,木綿の布,ビニール手袋 |
[薬品] | 炭酸ナトリウム,酢酸 |
3 方法
(1) | サフラワーイエローを溶かし出す |
ア | 紅花の花弁(写真1)50gを木綿の布で作った袋に入れ水に一昼夜浸す(写真2)。 |
イ | 手袋をして布袋をよくもんで黄色色素(サフラワーイエロー)を水に溶出させる。水を換えて2〜3時間後に同じ操作を行う(写真3)。 |
写真1 | 写真2 | 写真3 |
(2) | カルタミンの抽出 |
ア | サフラワーイエローを溶かし出したあとの紅花の花弁を木綿の布の袋に入れる。これをバットに入れた10%炭酸ナトリウム水溶液に浸してよくもむ(写真4)。カルタミンが溶け出てくる。黄色い溶液が得られる。同じ操作を2回行う。 |
イ | 2回の操作で得られた溶液を足して酢酸(10%程度)を泡が出なくなるまで加える。溶液の色が黄色から赤色に変化する(写真5)。 |
ウ | この溶液に木綿布を浸し手でもみ色素を吸着させる(写真6)。5分ほどで布を水洗いし乾かす。濃く染める場合はこの操作を繰り返す。 |
写真4 | 写真5 | 写真6 |
写真7 | 写真8 (右が操作を1回したもの,左が操作を3回したもの) |
4 結果・考察
(1) | 紅花の花弁には黄色色素(サフラワーイエロー)と赤色色素(カルタミン)が含まれている。サフラワーイエローは水に溶け、カルタミンはアルカリ性にすると溶ける。カルタミンは、アルカリ領域で黄色、中性領域で鮮やかな赤色を示す。 |
(2) | 紅花はキク科ベニバナ属の植物であり,日本でも紅色染料の原料として盛んに栽培されていた。現在は化学染料の普及により栽培量は少なくなった。 |
5 留意点
炭酸ナトリウム水溶液は,アルカリ性なので手に付かないように注意する。手に付いた場合はすぐに洗い流す。 |
6 指導上の留意点
この実験教材は,クラブ活動や課題研究でも利用してもおもしろい。 |
7 参考文献
東京書籍 「たのしくわかる化学実験辞典」 |
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