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1 目的
こんにゃく粉(マンナン)からこんにゃくを作る。
2 準備
こんにゃく粉10g(1kg約4000円 こんにゃく専門店にて)、水酸化カルシウムCa(OH)20.4g、温度計、ビーカー(100ml、500ml、1000ml)、割り箸、マッチ、シャーレ |
3 方法
(1) | こんにゃく粉を電子天秤で10gはかり取る。 | |
(2) | 500mlビーカーに水300mlをとり、70℃まで加熱してから、こんにゃく粉をぱらぱら入れる。割り箸でよくかき混ぜる。 | |
(3) | のり状になってきたらかき混ぜるのをやめる。1000mlビーカーにお湯を400ml程度入れておき、そこに(2)の500mlビーカーをつけて、40℃以下にならないようにバーナーで温めておく。このまま40分保温する。 | |
(4) | (3)の保温時間が35分過ぎたところで、100mlビーカーに水酸化カルシウム0.4gを入れ、50℃のお湯を40ml加え、かき混ぜる。このとき水酸化カルシウムは完全に溶けきらず溶液は濁ったままになる。これを懸濁液という。(3)の中に懸濁液を加えながら、割り箸でよくかき混ぜる。このときに細かな粒子に分かれるが、弾力性が出てくるまでかき混ぜ続ける。 |
(5) | 固まってきたら、シャーレに移し、押さえながら形を整え、5分ほど待つ。 | (6) | お湯を700ml入れた1000mlビーカーに、シャーレから取り出したこんにゃくを入れて、10〜15分煮てあく抜きをする。 | (7) | その後、ビーカーのお湯を捨てて、流水により冷やす。できたら試食してみよう。 |
4 備考
豆腐と並んで日本に古くからあるこんにゃくは、こんにゃく芋から作られる。こんにゃく芋の主成分はマンナンである。マンナンには水酸基が多く含まれていることから想像できるが、水分を吸収して粘り気が出る。(こんにゃくの97%が水である)これに塩基を加えるとゲル状になる。これがこんにゃくである。豆腐と同様の塩析という現象によりできあがる。マンナンは加水分解するとマンノースになる。私たちの体内の消化酵素中には、マンナンを分解する酵素がないので分解されても栄養素として吸収されないが、便通をよくするなどの役割を持っている。われわれはセルロースという多糖類も消化できない。しかし、草食動物などは、体内にいる微生物の働きで分解し、栄養にしている。マンナンはマンノースを主な構成成分とする多糖類の総称で木材、種子などその他の植物体に広く存在する。グルコースを多く含むものをグルコマンナンという。ガラクトースを多く含むものをガラクトマンナンという。
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