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塩を加えて混合溶液を分離する |
1 目的
| 多量に塩を加えることで,均一な溶液を分離することができる。この実験を通して,溶解の仕組みについて理解を深める。 |
2 準備
| [器具] | メートルグラス,ビーカー(50mL),試験管,試験管立て,ガラス棒,薬さじ,シャーレ,マッチ |
| [薬品] | 炭酸カリウム,エタノール,純水 (写真1) |
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| 写真1 |
3 方法
| (1) | メートルグラスにエタノール7.5mLと純水7.5mLを加え,混合溶液をつくる(写真2)。混合溶液をよく観察し、分離していないことを確認する。 |
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(2) |
この混合溶液をビーカーに移し,炭酸カリウムを薬さじ2杯分(約5g)を加え,全ての固体が溶けるまでガラス棒でかくはんする。 |
| (3) | 溶液を静置すると,二層に分かれる。分かれなければ炭酸カリウムを更に加える。 |
| (4) | 分かれた溶液を試験管に移す(写真3)。 |
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| 写真2 | 写真3 |
| (5) | 駒込ピペットで下層の溶液と上層の溶液を,それぞれ少量ずつ取り,シャーレの中に入れる。 |
| (6) | シャーレに火を近づけると,上層の溶液は燃えるが,下層の溶液は燃えないことが確認できる(動画)。 |
4 結果・考察
| (1) | 水と混合する液体は水素結合を生じるため,均一な溶液になる。この溶液に炭酸カリウムを加えるとこれは溶解する。更に加えると,溶液は二層に分離する。これは電解質の強い水和が水を引き付けるため,非電解質と水との比較的弱い水素結合が壊れるために生じる。 |
| (2) | 混合溶液を分離するには,多くの塩が必要であることを確認でき,溶解の仕組みについて理解を深めることができる。 |
5 留意点
| エタノールは可燃性である。周囲に燃えやすい物を置かないよう注意する。 |
| ※方法(6)では,塩の量が不十分な場合,引火することがある。 |
6 参考文献
『ケミカルデモンストレーション5 溶液とコロイド』 池本勲 訳 丸善 1998
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