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固形燃料を用いた炎色反応

1 目的

 固形燃料を作製し、炎色反応を観察する。

2 準備

 [器具] ビーカー(300ml、500ml)、上皿天秤、薬サジ、薬包紙、ガラス棒、ガスバーナー、三脚、金網、アルミカップ(製菓用の厚めのもの)
 [薬品] ステアリン酸、エタノール、発色剤〔塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化銅(U)〕

3 方法

(1) 500mlビーカーに湯浴用の湯をガスバーナーで沸騰させておく。
(2) ステアリン酸6gを上皿天秤で量りとり、300mlビーカーに入れる。
(3) ガスバーナーの火を消す。
(4) ガスバーナーの火が消えていることを確認したら、(2)のビーカーにエタノール200mlを加え、湯浴で温めながらガラス棒でかき混ぜてステアリン酸を溶かす。

動画1 湯浴でステアリン酸を溶かす


(5) 8つのアルミカップにステアリン酸のエタノール溶液を等量ずつ流し込み室温に放置すると、固まって固形燃料となる。

写真1 できあがった固形燃料


(6) 固形燃料1つを対照実験用にし、残り7つに7種類の発色剤をそれぞれ約1gずつのせる。

動画2 固形燃料に発色剤をのせる


(7) 部屋を暗くして、マッチ等で火をつけ炎色反応を観察する。
(8) 炎を消すときはぬれ雑巾を静かにかぶせる。冷めて固まれば持ち運びができ、3〜4回は観察できる。

4 結果

発色剤 なし 塩化リチウム 塩化ナトリウム 塩化カリウム
発色元素 Li Na K
炎色
炎色反応の様子

発色剤 塩化カルシウム 塩化ストロンチウム 塩化バリウム 塩化銅(U)
発色元素 Ca Sr Ba Cu
炎色 黄緑
炎色反応の様子



5 指導上の留意点

(1) ステアリン酸を溶かす際、エタノールへの引火を避けるため必ず湯浴を用い、ガスバーナーの火も消しておくこと。
(2) メタノールの方が発色が良いと考えられるが、有毒なため、より毒性の低いエタノールを用いた。
(3) アルミカップの代わりに清涼飲料水のアルミ缶を切って底5cm程を用い、固形燃料・発色剤の量を増やせば演示用に何度も使える。





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