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リン光を見る(黄リンの燃焼の様子を観察する)
1 目的
黄リンは猛毒であり、また、自然発火する性質があるため、取り扱いや保管に非常に気をつかわねばならない。そのため、黄リンを使った実験はなかなか行いにくい。そこで、同素体である赤リンから、加熱によって黄リンを少量だけ生成して、黄リンの特徴であるリン光を見る実験を行ってみる。
2 準備
[器具] 薬さじ、試験管(18mm径)、試験管ばさみ、ガスバーナー、ゴム手袋、実験用酸素 [薬品] 赤リン
3 方法・結果
(1) | 赤リン0.05〜0.07gほどを試験管に取る。(写真1) |
(2) | 試験管を水平にして弱火でおだやかに赤リンを加熱する。(写真2) 実験中はゴム手袋を着用する。 |
(3) | しばらくすると、赤リンから黄白色の煙が出て、試験管の壁に黄色いタール状の物質が付着してくる。これが黄リンである。(動画1) 注:黄リンは猛毒であるので注意!触れない、吸わない。 |
(写真1) (写真2)
(動画1)
(4) | 赤リンがなくなったら、加熱を止める。 |
(5) | 試験管を静置したまま、すぐに横から酸素をゆっくりと吹き込む。 試験管内で、淡い光を出してリンが燃えるリン光が観察できる。(動画2) 反応式 P4 + 5O2 → P4O10 |
(動画2)
4 留意点
(1) | 黄リンは猛毒なので、3 方法(3)の加熱中に発生するガスは、吸わないようにする(換気の良い場所で実験する)。 |
(2) | 生成した黄リンには絶対に触れない。また、未反応の黄リンが残らないよう、完全に燃やしてしまう。 |
(3) | 生徒実験ではなく演示実験にとどめるようにする。 |
(4) | 赤リンを強熱すると試験管内で燃焼しP4O10に変化してしまう。また、加熱が弱すぎると黄リンの生成が遅れ、生成した黄リンが空気酸化されてしまう。 |
5 参考文献
『教師と学生のための化学実験』 日本化学会編 東京化学同人(1987) | |
『SEGからの化学実験問題35 別冊実験写真集』 坂井英夫著 SEG出版(2002) |
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