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台所でマグデブルグの実験

 

1 目的

 ステンレスボウルを用いて、簡易化したマグデブルグの半球実験を行い、大気圧を体感する。

 

2 準備

ステンレスボウル(径の異なるものを1つずつ)、新聞紙、はさみ、エチルアルコール、ライター、水槽、軍手、ぞうきん

 


3 方法
 

(1) 小さいほうのステンレスボウルの口径よりも、ひとまわり大きい輪(ドーナツ型)を新聞紙2,3枚重ねて作り、水に浸してぬらしておく。これは空気漏れを防ぐパッキングになる。

(2) 小さいステンレスボウルにエチルアルコールを少し入れて、ライターで火をつける。このときボウルの下には濡れぞうきんを敷いておくこと。

(3) すばやく新聞紙のパッキングをボウルに乗せ、その上に大きいほうのボウルをかぶせる。

(4) 重ねたボウルを水槽に入れて冷やす。

 

4 結果

 ボウルの中でアルコールを燃やし、もうひとつのボウルをかぶせると、内部の酸素がなくなってアルコールの燃焼は終わる。そのときの内部は、アルコールの燃焼によってできた二酸化炭素と水、残ったアルコールの蒸気ばかりになる。二酸化炭素の大部分はすぐに水に溶け、アルコールは外部の水で冷やされて液体になるので、最終的には内部に気体はほとんど残らない。このようにして内圧が小さくなるため、外の大気圧によって強く押され、かなりの力で引いても、二つのボウルは離れなくなる。

 



5 留意点

(1) 2つのボウルは同じ大きさのものでもよいが、異なるもののほうが、重ねるときにずれがなく、成功しやすい。

(2) 軍手などを用いて実験を行い、火傷には充分注意する。

 

6 備考 

 マグデブルグの実験

 1654年、ドイツのマグデブルグ市長ゲーリケが、ドイツ皇帝の前で行った実験であり、2つの半球を合わせてその中の空気を抜き取って真空にし、その半球の両側から馬で引かせたものである。両側8頭ずつの馬が引っ張って、やっと大きな音を出して引き離すことができたという。

 

7 参考文献

盛口襄「理科教室」新生出版(1991)

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