鉄がさびていく過程を観察する。

　鉄くぎ、ペトリ皿、塩化ナトリウム水溶液、ヘキサシアノ鉄(�V)酸カリウム水溶液、フェノールフタレイン溶液、サンドペーパー

(1)　ペトリ皿に塩化ナトリウム水溶液を半分くらい入れ、ヘキサシアノ鉄(�V)酸カリウム水溶液とフェノールフタレイン溶液を指示薬として数滴ずつ加える。

(2)　サンドペーパーでよく磨いた鉄くぎを浸す。

　液が青くなる部分と赤くなる部分が観察できる。

(1)　液が青くなったのは、
　　　Ｆｅ→Ｆｅ^２＋＋２ｅ⁻
　という変化がおこり、生じたＦｅ^２＋が指示薬として加えたヘキサシアノ鉄(�V)酸カリウムＫ３[Ｆｅ(ＣＮ)６]と反応して、濃青色の紺青を生じるためである。

(2)　液が赤くなったのは、水に溶けている酸素が鉄の酸化によって生じた電子と反応し、
　　　Ｏ２＋４ｅ⁻＋２Ｈ２Ｏ→４ＯＨ⁻
　となり、水酸化物イオンを生じたためである。

(3)　更に時間が経つと、Ｆｅ^２＋の一部は酸化され、
　　　Ｆｅ^３＋＋３ＯＨ⁻→Ｆｅ(ＯＨ)３
　という変化により、溶液は赤褐色に変化する。

(4)　ペトリ皿をＯＨＰの上に置けば、色の変化をスクリーンに投影することができる。

日本化学会編「楽しい化学の実験室」東京化学同人(1993)