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藍(あい)染め

1 目 的

 藍(あい)の染色の実験を通し建染法について学ぶ


2 準備

[器具] 藍の乾燥葉、バーナー、ビーカー、木綿の布、ビニル手袋三角コーナーなどに使うネット
[薬品] ハイドロサルファイトナトリウム、炭酸ナトリウム

3  方法

藍の栽培
(1) 藍の種を3月ごろ蒔(ま)き育てる。水と肥料を適宜与える。(藍の種はインターネットなどで無料で取り寄せられる大学や研究機関のサイトがある)
(2) 7月ごろに地面から5cm位残し葉を刈り取る(写真1)。再び成長するので9月ごろ再び葉を刈り取る。
(3) 葉を刈り取らずに栽培すると10月ごろ花が咲き、11月ごろ種ができる(写真2)。葉は乾燥させ保存する(写真3)。
写真1 写真2 写真3
藍染め
(1) 500mlビーカーに水400mlと炭酸ナトリウム10g、ハイドロサルファイトナトリウム10gを溶かす。
(2) 藍の乾燥葉50gをネットなどに入れる(写真4)。
(3) この溶液にネットに入れた藍の乾燥葉を入れ数分間煮る。藍の葉に含まれるインジゴが溶け黄色い溶液になる(写真5)。
(4) ネットに入れた藍の葉を引き上げる。布を入れ50℃くらいに保つ(写真6)。
(5) 数分後布を引き上げる。空気に触れると徐々に布の色が青く染まっていく(写真7、8)。
(6) この操作を数回行なうと濃い色に染まっていく。
(7) 3%酢酸水溶液に布を浸して水洗する。(写真9)
写真4 写真5 写真6
写真7 写真8 写真9

4 結果・考察

(1) 藍の葉に含まれるインジゴは水に不溶である。そこでハイドロサルファイトナトリウムで還元し水に可溶なロイコインジゴにする。溶液の色は黄色になる
(2) (1)の溶液に布を入れるとロイコインジゴが布に付着し、布を引き上げると空気中の酸素によってロイコインジゴが酸化され水に不溶なインジゴとなり布が染まる。
(3) 反応式は下記のとおりである。
(4) 昔から行われてきた藍染めは発酵を利用した建染めである。

5 留意点

  溶液は強塩基性なので手につかないように注意する。手についた場合はすぐに洗い流す。
 クラブ活動では藍を種から育てて乾燥葉を利用するとよいが手に入らない場合は市販のインジゴを用いてもよい。

6 指導上の留意点

この実験教材は、クラブ活動や課題研究で利用してもおもしろい。

7 参考文献

『たのしくわかる化学実験辞典』 東京書籍 


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