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アセチレンを用いたペットボトルロケット

1 目的 

 炭化カルシウムを用いてアセチレンを発生させ捕集する。アセチレンと空気を混合し点火すると爆発的に反応が起こる。ペットボトルにアセチレンを捕集し、点火させることにより迫力ある大音響とともに滑走するペットボトルロケットができる。

2 準備

[器具] 水槽、柄付き針、アルミニウム箔、ピンセット、1.5L炭酸飲料用ペットボトル、パラフィンのフィルム、5pガラス管、ガムテープ、セロハンテープ、釣り糸(40m程度)
[薬品] 炭化カルシウム

3 方法

  (1) 3p角の炭化カルシウム片をアルミニウム箔に包み、柄付き針で3〜4か所穴をあける。
  (2) 水槽に水を入れ、(1)の炭化カルシウムと水を反応させてアセチレンを発生させ、130mLを1.5L炭酸飲料用ペットボトルに捕集する。あらかじめ、空気が入った状態でペットボトルに130mLの水を入れておき、水とアセチレンを置換すると簡単に捕集できる(写真1)。

写真1

 (3)

捕集できたら、ペットボトルのところにパラフィンのフィルムをはっておく。
 (4) 廊下や外庭など30m以上の長さが確保できる場所で、つり糸をたるまないようにぴんと張る。片方を壁やドアなどにガムテープで固定し、反対側を引っ張る。釣具のリールがついていると引っ張りやすい。
 (5) つり糸にガラス管を通し、ガラス管とペットボトルをセロハンテープではり付ける。
 (6) パラフィンのフィルムの上から着火装置により点火する。音が出て、勢いよくつり糸に沿って滑走すれば成功。

4 結果・考察

 (1) アセチレンの発生
  アセチレンは炭化カルシウムに水を反応させて発生させる。
CaC2 + 2H2O → Ca(OH)2 +C2H2
 (2) アセチレンの燃焼
アセチレンの燃焼反応は下の化学反応式で表される。
  2C2H2 + 5O2 → 4CO2 + 2H2O
 (3) 空気とアセチレンの混合割合
空気とアセチレンの混合割合を変化させて行ったが、方法(2)で行うと最も滑走距離が伸び、約24mとなった(写真2)。また、500mLのペットボトルを用いた場合の滑走距離は、1.5Lのペットボトルを用いた場合の約半分になった。
写真2

5 留意点

 (1) 点火により圧力がかかることから、必ず炭酸飲料用のペットボトルを用いる。
 (2) 必ず安全めがねを着用する。
 (3) やけどなどの危険を防ぐために、ペットボトルへの着火は脇から教員が行う。また、大きな音も出るので注意する。
 (4) 空気の代わりに酸素とアセチレンを混合したガスへの点火はペットボトルが破裂するため、危険である。絶対行ってはいけない。

6 指導上の留意点

 この実験教材は,演示実験で行うとよい。

7 参考文献
  『やってみよう・見てみよう 楽しい化学5分間実験』 新潟県化学を楽しむ会編

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