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セッケンの合成

1 目的

 セッケンは、油脂をけん化してつくることができる。いろいろな油脂から、セッケンをつくってみる。

2 準備

器具 ビーカー(300ml、200ml)、薬さじ、メートルグラス、ガラス棒、ガーゼ、
薬品 サラダ油(または廃油、オリーブオイル、ラード、バター、マーガリン等)、水酸化ナトリウム、エタノール、飽和食塩水

3 方法

(1) 水酸化ナトリウム2gを、200mlビーカーに入れ、10mlの水に溶かし、エタノール20mlを加える。
(2) このビーカーに、サラダ油または他の油10mlを加え、ガラス棒でかき混ぜながらおだやかに加熱する。
(3) 10分ほどすると、2層に分離していた溶液が均一な溶液となり、さらに加熱を続けると、細かな気泡が表面にできるようになる。そこで加熱を中止する。
(4) 300mlビーカーに、飽和食塩水を100ml入れ、ここに(3)の溶液を熱いうちに注ぎ、ガラス棒でかき混ぜる。表面に浮いてくるセッケンを、薬さじですくいとり、2〜3枚重ねたガーゼの上に集める。
(5) ガーゼで包んだセッケンを、冷水に浸し軽くゆすって、セッケンの中の食塩を洗い流す。セッケンも冷水に溶けやすいので注意する。軽く水を絞って、形を整え、2〜3日放置して乾燥させると、セッケンが得られる。いろいろなセッケンの泡立ちや洗浄力を調べてみよう。

4 備考

 油脂(サラダ油など)は、脂肪酸とグリセリンが脱水縮合してできたエステルと呼ばれる化合物である。この油脂は水酸化ナトリウムとともに加熱すると、脂肪酸ナトリウム(セッケン)とグリセリンに分解する。この反応をけん化という。油脂と水酸化ナトリウムは溶け合わないので、エタノールを加えて溶けやすくし、両者の接触面積を広くして、このけん化を促進している。反応後の溶液を飽和食塩水に入れると、セッケンが浮いてくる。この現象を塩析といい、残りの液には、グリセリンが含まれている。


5 学習できる内容

  ・油脂とセッケン
  ・けん化(エステルを塩基性で反応させると,カルボン酸の塩とアルコールができる)
  ・コロイド溶液(反応液を飽和食塩水に入れて塩析させる)


6 授業における活用例

   次のような実験プリント例を用いて、実際にセッケンをつくってみる。
   実験プリント例


7 参考

 セッケンと合成洗剤を見分ける方法

 テストしたい洗剤の1%溶液をつくる(溶けにくいときは、少し加熱する)。次に、30%酢酸溶液を滴下する。溶液が白く濁る洗剤はセッケンであり、変化のない洗剤は合成洗剤である。


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