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モンシロチョウの人工羽化(じんこううか)

1 はじめに 

 春になると、野原をひらひらと飛ぶモンシロチョウをよく見かけます。このモンシロチョウが、さなぎからチョウになる様子を目の前で見るのはとても感動的ですが、自然の中ではなかなか見ることができません。でも、ちょっとした工夫で、見たいときに合わせて羽化させることができます。みなさんもぜひちょうせんしてみてください。

2 用意するもの

モンシロチョウの卵(幼虫)、幼虫のえさ(キャベツ、小松菜など)、飼育(しいく)ケース、アイスクリーム用の木のスプーン(あつ紙でもよい)、両面テープ、フィルムケース、電気スタンド(電球式のもの) 

3 方 法

@モンシロチョウの卵の採集

 あらかじめキャベツや小松菜(こまつな)をうえきばちなどで育てておき、外に出しておくと、モンシロチョウが卵をうんでいきます。

 キャベツ畑などモンシロチョウがよく見られる場所でも見つけられます。
 
 右の写真にカーソルを合わせると、うみつけられた卵の様子が見られます。

A幼虫の飼育(しいく)

 キャベツや小松菜が幼虫のえさになるので、そのままにしておけば大丈夫です。

 幼虫が大きくなると、えさを食べる量が増えるので、えさの葉を食べきってしまう前に幼虫を新しいうえきばちにうつしましょう。
Bさなぎのれいぞう
 卵からかえった幼虫は脱皮(だっぴ)をくりかえして、約20日ほどでさなぎになります。
 さなぎになったら、むねとおしりの先を固定している糸をピンセットなどでやさしくはずし、両面テープで木のスプーンにはりつけます。(写真→)このときにさなぎになった日付をスプーンに書いておきましょう。
さなぎになって一週間から10日くらいで羽化します。
 羽化が近くなると、羽のはんてんがすけてはっきりと見えるようになります(白っぽい皮をかぶっているように見えます)。このときがれいぞうこに入れるタイミングです(右の写真)。
 れいぞうするときには、さなぎがつぶれないように、スプーンを二つ折りにしてフィルムケースの中に入れ、ふたをしてれいぞうこに入れます(右の写真)。

C人工羽化

 いよいよ人工羽化です。
 前の日にれいぞうこに入れておいたさなぎを取りだし、電気スタンドで温めます。(電球を近づけて熱くなりすぎないように注意しましょう。

 温め始めてから30分くらいで羽化が始まります。羽化は、1分ほどで終わってしまうので見のがさないようにしましょう(右の動画)。
4 注意すること
  • 幼虫はハチなどに卵をうみつけられることが多いので、なるべく卵からしいくし、他の虫が入らないように、しいくケースに入れておくようにしましょう。
  • 羽化してはねがしっかりのびるまではさわらないようにしましょう。(はねがちぢんだままになってしまいます)
  • さなぎをれいぞうこに入れるタイミングが早すぎると、羽化までに時間がかかります。
  • れいぞうこにはあまり長く入れすぎないようにしましょう。(5日くらいまで)
  • れいとうするところにさなぎを入れないようにしましょう。(死んでしまいます)
  • 羽化したモンシロチョウは、かんさつしたあとで、外ににがしてあげましょう。

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