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1 はじめに

 水溶液の性質を調べる指示薬としては、リトマス試験紙やBTB溶液が一般的に使われています。これらの代わりに植物の汁を使うことができます。ムラサキキャベツはその代表的なものですが、マロウ(ハーブティー)を使ってもとても簡単に同じような実験をすることができます。

マロウは、お湯を注ぐと鮮やかな青色のハーブティーになりますが、レモンの汁を加えると・・・

2 準備するもの

○マロウ(ハーブティー) スーパーで売っています
○試験管 調べる水溶液の数だけ用意します
○試験管立て あると便利です
○ビーカー 100ml程度のもの
○駒込ピペット(スポイト) 2本
水溶液 塩酸、水酸化ナトリウム水溶液など

3 方 法

マロウ(ウスベニアオイ)の花を乾燥させたものです。
ビーカーにマロウを適量(100mlのビーカーなら5〜6個)入れ、水を注いで軽くかき混ぜます。すぐに水が紫色になります。
できたマロウの色水を、調べたい水溶液に駒込ピペットで注ぎ、色の変化を見ます。

4 実験結果

写真の上にカーソルを移動すると色が変化します。
塩   酸 水酸化ナトリウム水溶液 食塩水
スポーツドリンク サイダー 石けん水

5 やってみよう

 塩酸(酸性の水溶液)と水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性の水溶液)を使って、マロウの色水をいろいろな色にすることができます。加える塩酸や水酸化ナトリウム水溶液の割合を少しずつ変えながら、いろいろな色の色水を作ってみよう。
 混ぜ合わせる割合によって、下の写真のような色ができます。

酸性、アルカリ性の強さによる色の変化



6 先生方へ

  •  マロウに、お湯を注ぐと、水の場合と違い、青色になります。
     
  •  塩酸、水酸化ナトリウム水溶液などの劇物の取り扱いには十分注意させてください。特に、目や口に入ったり、手などの皮膚に付いたりした場合には、すぐに大量の水で洗い流してください。
  •  中性では紫色を示します。酸性への変化の過程ではアルカリ性への変化の過程に比べ、多様な色の変化は見られません。
  •  中学校で扱う場合、BTB溶液、フェノールフタレイン溶液の色の変化との混同に十分注意してください。
  •  マロウは乾燥しているため長期保存が可能な上、水を加えるだけですぐに色素が抽出できるので、理科室に常備しておくと便利です。


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