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葉脈標本を作ろう

(実験をする場合には先生に必ず相談しましょう)

1 はじめに

炭酸ナトリウム水溶液を用いる方法は,手軽で比較的安全なだけでなく,適用できる葉も多く,より美しい葉脈標本ができます。

2 準 備

重ソウ(炭酸水素ナトリウム),鍋(ステンレスか鉄,またはホーロー製),バット,酢,洗濯用塩素系漂白剤,ブラシ,ピンセット,染料(インキ,または木綿用染料),ラミネートパウチの機械,ラミネートフィルム,台紙(色画用紙など),植物図鑑など

3 実験方法

(1) 炭酸ナトリウム水溶液づくり

ア 重ソウを鍋に入れ,中火で5分ほど空炒りすると熱分解して二酸化炭素と水蒸気が発生します。更に5分ほど加熱し,薬品が重たい感じになったら火を止めます。

イ 熱分解生成物の炭酸ナトリウムが冷えてから徐々に水を加え,10%程度の水溶液にします。
※注意1:目に入らないように注意します。目に入った場合はよく水洗して医師に相談します。
※注意2:アルミニウム製の鍋はアルカリに溶かされるため使用できません。ステンレスか鉄,またはホーロー製を用います。

(2) 葉脈標本づくり

 ア 炭酸ナトリウム水溶液に葉を入れ,弱火で数十分〜数時間煮ます。葉が液に沈んで内部まで濡れたようになればピンセットで取り出し,ブラシで軽く叩いて、溶け具合を調べます。調子よければ同じ種類の葉を取り出し,水の入った容器に保存します。

 イ 取り出した葉を酢で中和し,ブラシで裏表を軽く叩いて,丁寧な水洗を繰り返すと葉脈だけになります ウ 葉脈の着色は,洗濯用の塩素系漂白剤で数時間漂白してから行います。染料はインクや木綿用染料を用い,着色後は直ちにアイロンで乾燥します。

(3) 標本の保存法と活用

 標本は,少量の接着剤でノートや台紙に貼り付けたり,額に入れたりします。ブッカーなどの透明粘着シート(本の表紙カバー)で覆ってもきれいです。ラミネートフィルムで封入すると長期保存が可能なだけでなく,耐水性もある美しいカードタイプの標本となります

4 参考文献

  小学館 「野外探検大図鑑」


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