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吸収スペクトルの実験

1 実験の目的

アクリル板などを加工し、植物の光合成における吸収スペクトルを生徒に観察させる。


2 実験の材料・器具

抹茶(または植物の葉)、メチルアルコールとアセトンの3:1混合液(抽出溶媒)、アクリル板(厚さ1mm)、ハサミ(またはカッターナイフ)、接着剤(市販されている透明なもの)、乳鉢、乳棒、スポイト、光源(太陽光でもよい)、鏡(太陽光などで実験する場合には用いる)


3 実験の方法



(図1)三角型容器


(1) 準備(三角型容器の作成)


ア 幅10cm×高さ12cmの大きさ(3枚)と幅12cm×高さ12cmの大きさ(1枚)にアクリル板を切る。
イ それぞれのアクリル板を接着剤で接着し、三角型容器を作成する。(図1)このとき接着剤を多めに使用し、実験で水などが漏れないようにする。


(2) 実験の方法


ア 乳鉢の中に抹茶と抽出溶媒をいれ乳棒でよく混ぜる(抽出溶媒は少なめに入れる)。この操作でできた溶液を光合成色素液とする。(図2 A・B)
イ 三角型容器に水を入れ、光を当てるとスペクトルが観察できることを確認する。
ウ 実験操作イで用いた水の入った三角型容器に光合成色素液を適量入れる。これに光を当て光合成色素によるスペクトルの吸収のされかたを観察する。

※ 実験操作ウで、光合成色素液を多く入れすぎるとスペクトルが暗くなるので注意が必要である。
※ 今回の実験は太陽光を光源として用いたので、鏡を用い写真(図3)のように実験を行った。


(図2)

(図3)

A 抹茶

B 光合成色素液

実験の様子



4 実験結果

実験方法イおよびウの結果は下記の(図4)(図5)のようである。

(図4) 水によるスペクトル

(図5) 光合成色素液によるスペクトル

※ この写真より実際の観察では、もう少し緑
色のスペクトルははっきりしていた。

※ 光合成色素の吸収によって青色や赤色のスペク
トルは少なくなり、緑色のスペクトルが強調されるよう
になる。


5 授業での活用例

  実験結果からわかること

 (1)「水によるスペクトル」から、太陽光にはさまざまな波長(色)の光があることが確認できる。

 (2)「光合成色素液によるスペクトル」から、光合成色素が赤色や青色の光をよく吸収し、緑色の光はほとんど吸収しないことが確認できる。

 以上の結果を踏まえ、「なぜ、植物の葉は緑色に見えるのか?」という質問につなげていけば、学習効果が高まる。

 さらに、残った光合成色素液を用いて、ペーパークロマトグラフィーを行って含まれている光合成色素を分離することで、視覚的に光合成色素の存在を確認することができる。

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