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野鳥の観察

1 目的

 自然保護の意識の高まりとともに、地域の自然環境に生息する生物への関心が 高まっている。なかでも野鳥は種類が多く、観察は比較的容易に実施することができる。 野鳥の観察は、地域の自然に親しむだけでなく、生態系の構成の概要を知るための格好の材料となる。 ここでは主として、課外活動における野鳥の観察方法について紹介する。


2 観察用具

 野鳥の観察は、基本的には肉眼で行う。 しかし、広大なフィールドで一つ一つの種を識別するには、専用の観察道具があるにこしたことはない。 観察の際あるとよい観察道具を、以下に幾つか挙げる。



スポッティングスコープ

(1) 双眼鏡  

 各人が用意する。持ち運びやすく、低倍率(7〜9倍)のものを用意する。

(2) スポッティングスコープ(20〜25倍の低倍率地上望遠鏡)

 遠距離の観察用に用いる。必ず三脚を携行する。グループに1台あれば十分である。

(3) フィールドノート

 観察内容を記録するためのもの。携帯しやすいノートであれば、専用の野帳を使う必要はない。

(4) 図鑑

 多くの出版社から、いろいろな図鑑が刊行されている。携帯に便利で、絵が細かく、色が鮮明なものがよい。


  <服装について>

 動きやすい服装をすることが大切である。汚れてもよく、色の目立たない地味なものが望ましい。靴も動きやすい運動靴がよい。


3 探鳥(バードウォッチング)の方法
 

 野鳥の観察に先立ち、野にいる鳥たちを探索することを、探鳥という。探鳥を行う上で幾つかのポイントがあるが、以下にそれらを列挙する。なお、野鳥の観察に関する詳細な説明が日本野鳥の会のウェブサイト(http://www.wbsj.org/index2.html)にあるので、参考にするとよい。

 大きさ( 大型の鳥か?中型の鳥か?小型の鳥か?)

  

 フィールドマーク。( 各部の色 模様 長さ 形などの特徴 etc.)

  

 とまっているときの頭や尾の振り方、振る速さ

  

 地上の歩き方

   左右の足を交互に進める(ウォーキング):カモ、キジなど
   両足を揃え、跳ねながら進む(ホッピング):スズメ、ホオジロなど

 飛び方

   まっすぐ飛ぶ(直飛):スズメ、カモなど
   はばたきと滑空を交互に繰り返す(波状飛):セキレイ、ヒヨドリなど

  

 飛んでいるときの翼の形

  

 翼のはばたき方、はばたく速さ

 水鳥の飛び立ち方

 水鳥の泳ぎ方

 水鳥の餌の取り方

 鳴き声(さえずり(song)、地鳴き(call))

 生息する地域の特徴( 農耕地、雑木林、森林、川原、海岸、湖沼、公園、市街地 etc.)

 季節はいつか?

 観察の時間帯はいつか?



  以上のような点を参考にして、観察に臨むとよい。また、探鳥は経験を積み重ねることによって上達し 、それだけ楽しむこともできるようになる。


  参考文献
 

   唐沢孝一 著 : 「校庭の野鳥」 全国農村教育協会 1997
   杉坂学 監修 : 「野鳥観察図鑑」 成美堂出版 1999
   高野伸二 著 : 「フィールドガイド 日本の野鳥(増補版)」 日本野鳥の会 1990


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