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8 テストAの結果とその考察

 平成22年度高等学校入学者数学学力テストA の問題・正答率・誤答率・主な誤答
(1)  2乗公式の定着を図る。
毎年[1](2)において平方根の計算を出題している。過去数年分の問題と正答率,主な誤答例は上記のとおりである。昨年度まではの問題を出題し,正答率は60%を満たない状況だった。今年度は√の中を簡単にして加法・減法をする問題にしたところ,正答率が83.4%(上位群100%,下位群69.6%)まで上昇した。今回の結果により,多くの生徒が加法・減法までは理解できていることが分かった。の計算を とする誤答が13%以上もあることから,の公式が定着していないといえる。
今後の指導に向けて
 の公式を理解していない生徒に対してを展開し,の項が出ることを確認したり,(32)251332のような簡単な数字を使ってであることを丁寧に説明したい。また一辺がである正方形の面積を利用してであることを示すことも効果的である。

(2) 規則性を発見させたい。
 21,H22[2](7)は規則性を見付け出し,個数を求める問題である。H21は平面,H22は立体の問題を出題した。H21においては黒いタイルが4枚ずつ増えていくという規則性を見付けやすく,正答率も70.6%と高い結果だったが,H22は立体ということもあり規則性を見付けにくく,正答率は27.9%まで下がった。誤答は31個がもっとも多く,18.8%であった。これは1個,4個,10個という数から階差を考え,3個ずつ増えていくだろうという予想を立てた結果と考えられる。実際は下段に注目をし,階差のさらに階差を考えて規則性を見つけることになる。立体をうまくイメージできないため4段目を数えることができず,間違いに気付くことができなかったのと思われる。
      
今後の指導に向けて
 今回は立体図形のために規則性を見付け出すことが難しかったと思われる。この問題において,生徒に規則性を発見させるには立方体がどのように増加するかイメージさせることが大切である。生徒のイメージを助けるために各段が分離する立方体の模型を作り,実際に各段を見せることができれば生徒は規則性を発見しやすくなる。立体に限らず複雑な規則性の問題に対して,イメージしやすい例を提示し,徐々に複雑にする等,段階的に指導し,生徒が規則性を発見できるように手助けをしたい。


           目    次
1  調査の趣旨及び処理   5  テストAの結果とその考察
2  調査結果の概要   6  テストBの結果とその考察
3  分析結果の概要   7  テストTの結果とその考察
4  調査問題の妥当性と信頼性     
 平成21年度高等学校数学標準学力検査の結果とその考察(PDF 408KB)