7 テストBの結果とその考察
平成22年度高等学校入学者数学学力テストB の問題・正答率・誤答率・主な誤答
全体から,「4人とも自分の持ってきたプレゼントになる場合」「2人が自分の持ってきたプレゼントになる場合」「1人が自分の持ってきたプレゼントになる場合」を引くと求められるが,なかなか気付かず,樹形図で求めた生徒が多いようである。一見,基本的な問題のようであるが,「自分が持ってきたプレゼントを自分で受け取る人が1人もいない」という条件があるために,正答したのは34.0%しかいなかった。また全体の約3割の生徒が12通りという誤答を導いた。自分のプレゼント以外の3種類×4人,という誤答と思われる。
[1](8)は変化の割合の問題である。全体の正答率はH16,H22ともに60%前後で,上位群の正答率は約90%であった。しかし,下位群の正答率を比較すると,H16は18%であるのに対し,H22は34%と差が出た。これは,数値を代入する2次関数の x2 の係数が文字であるか,数であるかの違いにあると考えられる。また,主な誤答をみると,1次関数の変化の割合が x の係数となるのと同様に,2次関数の変化の割合も x2 の係数であると考えている生徒が少数いることが分かる。
問題が複合的であったり,x2 の係数に文字が入ると正確に処理することができないと考えられる。「変化の割合=yの増加量/xの増加量」であること,「1次関数の変化の割合は直線の傾き」であることをしっかりと復習したい。特に,2次関数の変化の割合は「2つの端点を結ぶ直線の傾き」を表し,その値は一定でなく,1次関数の変化の割合とは異なるということをしっかりと理解させたい。
事象を数学的に処理をして関数を立式できるよう,指導を工夫したい。まずは,全体の状況を把握し,イメージをもたせることが重要である。様々なパターンを,段階を経て提示することで,全体の数量関係をイメージさせたい。
さらにグラフを用いることで,面積の変化の様子を視覚的にとらえることができる。グラフをかくことは全体のイメージをつけさせるためにも,効果があると考える。