中学校の新学習指導要領は平成20年に,高等学校の新学習指導要領は平成21年に告示された。そして,周知・徹底する期間を経て,中学校数学は平成21年度から,高等学校数学は,平成24年度から先行実施される。今回の改訂により,高校数学では科目構成の変更,指導内容の科目間移動,新たな指導内容の追加など変更点が多々あるので,先行実施を前に今一度確認しておく必要がある。また,高校で教えていた内容の一部が中学校に移行したり,中学校で新しく学習する内容もあるので,中学校での学習内容についても確認し,高校の授業に円滑に入れるようにする必要がある。特に今回は,高校の数学Tから多くの内容が中学校に移行しているので,それを踏まえた上で指導することが重要である。本年度高校に入学した1年生は,現行課程最後の入学生ということになるが,中学校では,移行期間の変わり目の学年にあたり,中学1年生では現行課程の内容を学習し,中学2,3年生では新課程の内容を学習してきている。したがって,本年度の1年生は,表4の3年生の欄で,高校から移行してきた内容を再び高校で学習することになる。
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