(1) 「速さ・時間・距離」の関係の意味を考えさせたい。 |
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“単位”に対する抵抗感を調べるために,H22とH23の問題は,数値は同じで単位の異なる問題を出題した。H22は水に関する問題を,H23は速さに関する問題を出題してみたところ,H23の正答率はH22よりも(1),(2)ともに約11%減少し,特に(2)においては無答率が8.5%増加するという結果となった。速さに関する問題に苦手意識をもっていることが分かる。 |
また,H23(1)のように,速さに関する基本的な問題に関しては,正答率が75.8%あることから,水の問題より正答率は下がるものの「速さ・時間・距離」の関係を表す公式を利用することはできることが分かった。しかし,H23(2)のように公式を活用して考える問題では,公式の使い方が分からず諦めてしまった生徒が多く,上位群でさえ無答率が22%上昇した。
H22の水の問題とH23の速さの問題では,単位が違うだけで考え方は同じである。大きな違いは,H22の水の問題には一般的な公式がなく,文章を読み,内容を理解して計算するのに対し,H23の速さの問題には小学校のときに学習した「速さ・時間・距離」の関係を表す公式が存在し,その公式に数値を代入し計算するところである。 |
今回の結果から,H23の速さの問題では,公式に数値を機械的に代入することはできるが,問題文の内容を理解して公式を活用できなかったことが,正答率の減少,無答率の増加につながったと考えられる。 |
【今後の指導に向けて】 |
「速さ・時間・距離」の関係を公式として機械的に暗記するのではなく,公式の意味を考えながら活用できるように指導していきたい。例えば,右のような具体例を取り上げ,公式の意味を理解させながら公式の定着を図ってはどうであろうか。
また速さの単位(q/時)などから関係式の意味を把握させるのもよい。
苦手意識の強い「速さ・時間・距離」に関する問題は,公式の利用だけにとどまらず,関係式の意味を理解させながら繰り返し学習させたい。 |