牟山(むさん)神社と梯子獅子(はしごじし)  <時代>室町時代  <地域>知多
牟山神社の全景 社殿

<所在地> 知多市朝倉(名鉄常滑線朝倉駅より徒歩15分)
<概要>
 牟山神社は古くから村民の崇拝を受けてきた知多市朝倉地区の氏神で,祭神は天御中主尊である。記録によれば1479年(文明11)に本殿が再建されたとあるが創建年代は不明である。昔は牟山祠とか牟山社と呼ばれていたらしい。
 この神社には,本殿再建の際に始まったとされる獅子舞が伝えられている。1598年(慶長3)に惣右衛門(そうえもん)という人物が村民と協力して梯子を作り,猪を退治したおかげで大豊作となった。それにちなんで翌年の祭礼からは,梯子を登って勇壮に舞を演じる雄獅子を演じるようになったという。これが,現在,愛知県の無形民俗文化財に指定されている梯子獅子として伝えられている。
 獅子舞は,これまで若衆によって奉納されてきたが,現在では保存会員によって行われている。9メートルあまりの柱を3本,一線上に建て,腕木や横木で組み立てられた櫓を高い山にたとえて獅子頭と胴身の二人が一組となって舞を演じる。演技は大きく分けて三種類(運勢の舞,櫓上の舞,感謝の舞)あり,それぞれに囃(はやし)がついている。獅子舞の所要時間は約30分である。戦後,生活様式が大きく変化し,若衆組織も解体され,伝統芸能の伝承も大きく影響を受けたが,現在では盛大に行われている。

<学習のポイント>
 各地で育った庶民文化が現在も民俗芸能として大切に伝えられている好例として取り上げたい。
<参考資料>
 「知多市誌」
<問い合わせ先・ホームページ>
 牟山神社
 知多市役所商工振興課 0562-33-3151   http://www.city.chita.aichi.jp/

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