亀崎の潮干祭(しおひまつり)  <時代>室町時代  <地域>知多
潮干祭 風景 海浜へ引き下ろされる山車

<所在地> 半田市亀崎(JR武豊線亀崎駅より徒歩20分)
<概要>
 潮干祭は,亀崎神前神社の祭礼である。かつては旧暦3月15日と16日に,山車を干潮の浜へ引き下ろしていたが,伊勢湾台風以降,海岸に大規模な堤防が作られたために浜に引き下ろされることもなくなり,現在は5月3日と4日に行われている。しかし住民による祭礼復興の気運が高まり,防潮堤防を改修し神社前に海浜を造成し,平成7年より再びかつてのように亀崎の砂浜に山車が引き下ろされるようになった。
 潮干祭の歴史は古い。15世紀後半,応仁・文明の頃,18軒の武家の発起で,荷車の上に笹竹を立てて引き回したのが山車の始まりとされる。その後,亀崎の町の発展とともに絢爛豪華な5台の山車が完成した。江戸時代には犬山藩主より10万石大名格式の旗印・陣羽織・采配などが許され,儀式も厳粛に行われた。その風格は今日まで伝えられ,県の有形民俗文化財に指定されている。
 山車にはそれぞれ,七宝,堆朱(ついしゅ),唐木の柱梁,組み物細工は紫檀(したん),黒檀(こくたん)等を使い,彫刻を施した。大幕,追幕,水引などは,舶来の羅紗(らしゃ)に金糸の刺繍で有名画伯の下絵の絵模様を飾る等,豪華を極める。また,謡曲に合わせて踊るからくり人形は,当時の技術の粋を集めて築造されたもので,見学者の多くの喝采を浴びている。

<学習のポイント>
 半田,亀崎を中心とした市域の経済的発展とそれに伴う民衆文化の広がりを示す一例として紹介したい。 
<見学のポイント>
 現在でも潮干祭では女性が山車の綱を引くことは許されないという掟が残り,興味深い。
<参考資料>
 「半田市誌」
<問い合わせ先・ホームページ>
半田市役所 0569-21-3111 http://www.city.handa.lg.jp/contents/hakubutukann.html

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