先苅(まずかり)貝塚  <時代>縄文時代  <地域>知多
郷土資料館に展示してある貝塚出土品 郷土資料館

<所在地> 南知多町内海柴井1−66(名鉄内海駅徒歩15分)
<概要>
 1987年(昭和53),名鉄知多新線の内海駅工事に伴って発見された先苅貝塚は,日本中の考古学者の注目を浴びた。標高マイナス10mのその遺跡の上には,厚く海性の泥や砂で覆われていたからである。この貝塚の成立時期は約 8,000年ほど前の縄文時代早期,氷河期が終わって海面が上昇したと考えられる時期である。この海面上昇を縄文海進(かいしん)というが,海進のために水没した遺跡の存在は以前から予想されていた。しかし,それが現実に確認されたのは日本でも先苅貝塚が最初である。
 出土品は,多数の土器破片のほか,石器や魚の骨,人骨も見付かり,この地方の人々の海への適応の時期が縄文時代前期にまでさかのぼることが明らかにされた。さらに,縄文海進は日本のみならず世界的に起こった現象であり,先苅貝塚が豊富な内容をもって発見されたことや詳しい学術調査が加えられた点で,海外でも注目されている。

<学習のポイント>
 氷河期が終わり海面が上昇し日本列島が形作られていくことや,縄文時代の人々の生活ぶりを調べる具体的な好例として,地域素材としてぜひ教材化したい。
<見学のポイント>
 貝塚には現在内海駅が完成し,貝塚を直接見学することはできないが,南知多町郷土資料館には詳しい解説とともに出土品が展示してある。
<参考資料>
「知多半島の歴史」
<問い合わせ先・ホームページ>
南知多町郷土資料館(0569)62ー2218   http://www.town.minamichita.lg.jp/main/syakyou/kyoudo/sikyoukan.htm

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