溝口  幹(みぞぐちみき)−鈴渓義塾の塾長−  <時代>明治時代  <地域>知多
溝口幹 頌徳記念碑 現在の小鈴谷小学校

<関係地> 常滑市小鈴谷小学校(常滑市大谷井戸尻)名鉄常滑線常滑駅 知多バス30分
<業績>
 幹は1852年(嘉永 5)に,伊勢の神職の一つである御師の家に生まれた。彼は,12歳で父と一緒に伊勢神宮の御師を務めるほどの秀才であった。そんな時,小鈴谷村で広く事業を営む盛田久左衛門が彼の人柄に感じ入り,幹を新設する小鈴谷村郷学校に教師として招いた。
 その後,名古屋,大阪,東京の師範学校で勉強した後に再び小鈴谷に帰郷した。彼の夢は一人でも多くの子に勉強の機会を与えることであったが,当時は高等小学校が遠く離れていたために通学に大変に不便な状況であった。幹はその状況を憂い,久左衛門の援助を受けて小鈴谷の地に私立鈴渓義塾(れいけいぎじゅく)を設立し,初代塾長となった。優等生を作るのではなく喜びも悲しみも分かち合える子供たちを育てることに心掛けた。やがて鈴渓義塾は学問を志す子供たちの目標となり,石黒魯平,石田退三等多くの優れた人材を輩出していった。  
<年譜>
1852年(嘉永 5)三重県伊勢市の御師の家に生まれる
1871年(明治 4)小鈴谷の名士,11代目の盛田久左衛門に出合う
1872年(明治 5)小鈴谷村郷学校教員となる
1887年(明治20)小鈴谷学校校長となる
1888年(明治21)鈴渓義塾を創設し,初代塾長となり,優れた人材を多く育成する
1933年(昭和 8)80歳で没

<学習のポイント>
 明治期の日本を支えた地域教育のレベルの高さを示す好例として取り上げたい。
<見学のポイント>
 小鈴谷小学校の校門の脇には,「溝口先生頌徳記念碑」が建てられている。
<参考資料>
「愛知に輝く人々3」
<問い合わせ先・ホームページ>
常滑市教育委員会(0569)35-5111
小鈴谷小学校(0569)37-0021

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