大曲輪(おおぐるわ)貝塚 <時代>縄文時代 <地域>名古屋
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屈葬された人骨のレプリカ |
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<所在地> 名古屋市瑞穂区山下通5−1 瑞穂公園陸上競技場 (地下鉄名城線瑞穂運動場東駅下車徒歩10分)
<概要>
大曲輪貝塚は縄文時代前期の遺跡で,仰臥屈葬の成人男性の人骨は,1980年(昭和55),瑞穂陸上競技場の改築工事に際して行われた発掘調査によってほぼ完全な状態で発見されたものである。特に,抜歯が上下8本に施されていて,当時の通過儀礼をはじめとした風習を知る上からも貴重なものである。また,この遺跡は,名古屋市内では最大級の貝塚であり,縄文土器・石器・土偶など縄文期の遺物も多く出土しているばかりでなく,埋葬された犬骨,甕棺墓群や竪穴住居跡など縄文時代から弥生時代,さらにはそれ以降の遺物まで包含するものとなっている。
<学習のポイント>
屈葬は,縄文時代の典型的な埋葬法であり,そこにはいかなる意味があったのかを考えてみたい。また,抜歯は成人になるための通過儀礼として,どのような方法で歯を抜いたかを想像し,そしてその痛さに耐えることにいかなる意味があったかを考えてみよう。
<見学のポイント>
現地は,縄文・弥生から歴史時代に至る遺物の包含層として,国指定の遺跡となってはいるが,現在は陸上競技場の一角に上記の人骨レプリカが残るのみである。遺跡保存の在り方について考える好素材でもある。なお,出土した人骨本体やその他貴重な遺物は,名古屋市博物館に展示されている。
<参考資料>
「尾張の文化財とくらし」 「愛知県の歴史散歩 上」 「図説 愛知県の歴史」
<問い合わせ先>
瑞穂陸上競技場 052-836-8200
名古屋市博物館 052-853-2655
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