鈴木 禎次(すずきていじ)−漱石の義弟でもある名古屋近代建築の先駆者−  <時代>明治時代  <地域>名古屋
噴水塔(鶴舞公園内) 奏楽堂(鶴舞公園内)

<関係地>鶴舞公園 名古屋市昭和区鶴舞1(JR中央線又は地下鉄鶴舞線鶴舞駅下車すぐ)

<業績>
鈴木禎次は,木造建築に替えて,石造りやれんが造りで名古屋の街を大変身させた建築家である。彼の作品は,広小路通りだけで十棟ほど建てられた。例を挙げれば,現在の松坂屋につながる伊藤呉服店などである。現在,彼の作品はあまり残っていないが,鶴舞公園には,第10回関西府県連合共進会を記念して彼が設計した噴水塔と奏楽堂がある。噴水塔は,昭和48年に地下鉄鶴舞線工事のため解体撤去され,昭和52年に完全復元された。また,奏楽堂は,平成9年に創建当時の姿に復元されたものである。
また彼は,夏目漱石(なつめそうせき)の義弟にあたる。彼は,1941年(昭和16)に71歳で生涯を閉じるまで多くの弟子を育て,日本建築界に多大な影響を与えた。

<年譜>
1870年(明治3) 静岡市に生まれる
1896年(明治29) 帝国大学工科大学造家学科卒業
1906年(明治39) 名古屋高等工業学校建築科教授・同科長として名古屋へ赴任
1922年(大正11) 教授を退官
1941年(昭和16) 71歳で没

<学習のポイント>
鶴舞公園の正門から見ることができる公園のシンボル的存在「噴水塔」と「奏楽堂」が,彼の作品であることを学習し,現在でも見劣りしない彼のデザインを体感しよう。
明治の日本近代建築に多大な影響を与えたコンドルや辰野金吾(たつのきんご)についても調べてみよう。

<見学のポイント>
鶴舞公園は,史跡の宝庫である。男子普通選挙法を記念して作られた「普選壇(ふせんだん)」や,竜が池の南に「聞天閣貝塚」(もんてんかくかいづか)があるので,足を延ばしてみよう。

<参考資料>
「歴史ウォッチング4」 「愛知県の歴史散歩 上」

<問い合わせ先>
鶴舞公園 052-731-1610 

 愛知エースネットへ      トップへ