北王 英一(きたおうえいいち) −東山動物園初代園長とゾウ列車− <時代>昭和時代 <地域>名古屋

   
北王英一 ゾウ列車50年の碑

<関係地>名古屋市東山動植物園 名古屋市千種区東山元町3-70(地下鉄東山線東山公園駅下車徒歩3分)

<業績>
 日中戦争が始まった1937年(昭和12)に東山動物園は開園した。 その年の12月,初代園長となった北王英一は,名古屋市長に木下サーカスのゾウ購入の快諾を受けた。 そのうちの「マカニー」,「エルド」の2頭は,北王英一はじめ関係者の嘆願や,食糧確保の努力で戦争時代を乗り越えて生き抜くことができた。
 終戦を迎えて,日本で生き残ったゾウはこの2頭だけであった。 ゾウのいない東京の子供たちから,ゾウを分けて欲しいと熱心な陳情が始まったが,北王はゾウの体調,2頭の絆を思い拒んだ。 しかし,東京都知事をはじめ多くの人を動かし,1949年(昭和24)6月18日「ゾウ列車第1号」を走らせた。 
 その後も北王は,子供たちに夢を与えるために,1951年(昭和 26)の「移動動物園」,「動物サーカス」(ニコニコサーカス)などの取組に努力した。

<年譜>
1900 年(明治33) 京都の呉服商に生まれる
1923 年(大正12) 名古屋鶴舞公園にあった名古屋動物園に就職
1937 年(昭和12) 東山動物園建設事業の中心(初代園長となる)
1944 年(昭和19) 名古屋大空襲(治安維持を理由に猛獣類射殺命令)
1949 年(昭和24) ゾウ列車が名古屋に走る
1993 年(平成5) 93歳で没

<学習のポイント>
 北王の動物や子どもに対する真剣な愛情を感じてみよう。
 戦争と動物の関係について,他の動物や,他の国と比較してみよう。

<見学のポイント>
 東山動物園の動物会館で,当時のゾウに関する展示を見ることができる。
 また,1999年(平成11)にゾウ列車50周年記念の碑が,アジアゾウの前に建てられている。

<参考資料>
 「千種区史」(区制施行50周年記念)
 東山動物園 http://www.higashiyama.city.nagoya.jp/04_zoo/index.php
<問い合わせ先・ホームページ>
 名古屋市東山総合公園営業推進課 052−782−2111
 

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