恵心庵(えしんあん)  <時代>江戸時代  <地域>尾張
恵心庵

<関係地>丹羽郡扶桑町高木桜木(犬山線扶桑駅 下車徒歩10分)

<概要>
 江戸時代のキリシタン禁制政策は全国に及び,恵心庵もこの地での迫害の様子を今に伝える史跡である。
 町内の迫害は,寛永年間(1624〜1643)と寛文年間(1661〜1672)に集中している。特に,恵心庵のある扶桑町高木地区での迫害は,1661年(寛文元)に今の岐阜県可児郡で信者が捕えられたことがきっかけとなり,1665年(寛文5)正月までに21回にわたり30世帯82人が召し捕られ,名古屋へ送られた。その中の39人は赦免になり,他は斬罪に処せられた。この霊を弔うために地蔵尊を祀ったのが恵心庵の起こりである。
 ひっそりとした庵内には,殉教者の冥福のために「有縁無縁三界万霊等名仏地蔵尊」と刻まれた舟形地蔵尊がある。

<学習のポイント>
 濃尾平野では扶桑町以外でも多くのキリシタンが捕らえられている。岐阜県可児郡や愛知県犬山市五郎丸辺りのキリシタン弾圧と結びつけて調べてみよう。

<見学のポイント>
 家族や親類を失った上に,苛酷な年貢を出さなければならない村民の打撃は,想像を絶するものであった思われる。当時の人々の気持ちも想像しながら庵を訪ね,地蔵尊を調べてみよう。

<参考資料>
 「尾張散歩」「扶桑町史」

<問い合わせ先>
 扶桑町役場 (0587) 93-1111  http://www.town.fuso.aichi.jp/index.html

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