起の渡船場跡(おこしのとせんじょうあと)  <時代>江戸時代  <地域>尾張
起の渡船場跡にある常夜灯 桟橋跡

<所在地> 一宮市起金刀比羅神社内(名鉄バス濃尾大橋口下車徒歩5分)
<概要>
 美濃路は,東海道と中山道を結ぶ代表的な脇街道である。その最大の難所は,日本有数の大河である木曽川を渡ることであった。起の金刀比羅神社前から対岸の新井村(現在の岐阜県羽島市)まで渡し船を利用していたが,ここは定渡場(じょうとば)で上の渡し場と言われていた。神社内には,常夜灯が残り,川岸には渡し場の桟橋跡の支柱を見ることができる。この渡し場は県指定の史跡となっている。
 他に,大きな楠を目印とした中の宮河戸(みやこうど)の渡し場と下の船橋河戸があった。特に,下の渡し場では,将軍上洛時や朝鮮通信使さらには象が渡るときなど数百艘の舟を横に並べて船橋を架けていた。この様子は,一宮市の尾西歴史民俗資料館で見ることができる。
<学習のポイント>
 将軍上洛にも使われた,脇街道としての美濃路の重要性やその様子,さらには,江戸時代の大きな川を渡る際の工夫を学習することができる。道幅や桟橋の規模及び何を目印として渡船したかなども確認するとよいだろう。
<見学のポイント>
 現在の渡船場跡は,金刀比羅神社内に記念碑と常夜灯が残るだけなので,必ず川辺に行って桟橋跡を確認してほしい。また,歩いて10分ほどのところに一宮市尾西歴史民俗資料館があるので立ち寄ってみるとよい。
<参考資料>
 「美濃路」 「愛知県の歴史散歩 上」
<問い合わせ先・ホームページ>
 一宮市尾西歴史民俗資料館 0586-62-9711 http://wwwsv.city.ichinomiya.aichi.jp/division/rekimin/

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