香久山古窯(かぐやまこよう)  <時代>平安時代  <地域>尾張
岩崎45号窯 窯跡(日進市教育委員会提供)

<所在地> 日進市香久山5丁目 すずかぜ公園内 ( 地下鉄鶴舞線赤池駅下車北へ徒歩30分)
<概要>
 猿投山(さなげやま)の西南に広がる低丘陵地に5世紀(古墳時代)から14世紀(室町時代初頭)までの約900年間にわたり形成された古窯跡群を猿投山西南麓(せいなんろく)古窯跡群(猿投窯)と呼んでいる。香久山古窯は岩崎地区の古窯で,平安時代初期の典型的な窖窯(あながま)であり,長さ7.9m幅2.0mの大きさで天井部を除いてほぼ完全な状態で現存していた。出土品には須恵器(すえき)の杯(つき)・椀(わん)・鉢(はち)などがあった。
 平成21年3月に日進市指定文化財(史跡)に指定された。

<学習のポイント>
 平安時代以降,猿投窯で須恵器の流れをひいた灰釉陶器(かいゆうとうき)・緑釉陶器(りょくゆうとうき)が作られていた。これらの技術・伝統が各地にひろまり,常滑・瀬戸・渥美などの窯業地が発達した。
 瀬戸では,宋の青磁を模倣した高級陶器や,仏花器やコマ犬などの特産品を生産した。
 常滑では,日常的に使われる壺(つぼ)・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)などが生産された。
<見学のポイント>
 猿投窯(さなげよう)は,総数一千基を超えると推定されており,特に奈良・平安時代には窯業生産地として発展してきた。猿投窯の製品は,国の中心である都へ税金の一種の「調」として,あるいは市場で売買される交易品として運ばれたと考えられ,壺・椀・皿・平瓶(へいへい)などの日常食器から,浄瓶(じょうへい)・水瓶(すいびょう)などの仏器,硯(すずり)や水差しなどの文房具が確認されている。
<参考資料>
 「都に運ばれた猿投窯」
<問い合わせ先・ホームページ>
 日進市教育委員会生涯学習課 0561-73-4190   http://www.city.nisshin.lg.jp/kyouiku/bunka/hogo_kaguyama.html

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