佐屋の木魚(さやのもくぎょ)  <始まり>明治時代  <地域>尾張                                  
職人の技 玉斎作の木魚
木魚づくりは職人の技(仕上げ彫り) のべ10年の歳月をかける「玉斎」作の木魚

<関係地>愛西市東保町

<概要>
  木魚づくりは職人の技である。現在,木魚を作ることができる職人は,愛知県にしかいない。その数は,わずかに7軒10名である。愛西市にある「市川木魚」は,中でも4名の職人を抱える,現在最大の木魚工房である。
  市川木魚は,「玉斎」という作銘を持っている。そのルーツは,1907年(明治40年)の先代にさかのぼる。当時,上物師(じょうものし)が多かった東京で「龍彫り」の修行を積み,その技を受け継いで,木魚師として独立した。そして,愛西市に居を構えた。一つの木が木魚になるのに,およそ10年を要する。1ヶ月に2個程度の出荷である。
 木魚づくりの概要は,次のとおりである。                        
 @ 山師からの連絡で,直径1m〜2mの楠木を立木の状態で購入して,伐採する。原木は,自宅の庭で約3年〜4年乾燥させる。原木の良し悪しを見る目が大変重要である。     
 A 乾燥させた原木から,木魚の原型を作る。職人の眼と腕が頼りの作業である。
 B 中彫りを行う。木の厚さが均等になるように彫っていく。この過程は,ほとんどが職人の勘と経験で行われる。中彫りの済んだ木魚は,室内で3年〜4年乾燥させる。
 C ひずみやひび割れを点検し,修正する。
 D 荒彫り。「玉斎」の技。龍彫りである。50種類近くのノミを使い,木目を見ながら彫っていく。繊細さと大胆さの両方が要求される技である。
 E 仕上げ彫りを経て,音付けと色付けを行う。この技は企業秘密だそうで,先代からの技と工夫の結晶である。

<学習のポイント>
  木魚づくりに伝わる,伝統の技について調べよう。
 
<見学のポイント>
  「市川木魚」の市川さんに,事前に見学の旨を依頼し,学習内容にあった視点での見学を行う。

<参考資料>
  「尾張の技」

<問い合わせ先>
  市川木魚 0567-28-3924

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