ぼんたたき(ぼんたたき) <はじまり>不明 <地域>尾張                             
ボンタタキの道具 ぼんたたきの様子
「ボンタタキ」の道具 ぼんたたきの様子

<所在地>愛西市立田地区

<概要> 
 子どもの行事として,昔から立田地区に伝わる大変珍しい行事。8月15日の夜に子どもたちが村の家々を回って庭を叩く。立田地区では,庭をたたいて回る道具そのものを「ボンタタキ」と呼ぶ。この行事の由来は,お盆の行事である「盆起こし」で,もともとは旧暦7月14日の満月の夜の夜中に行われていた。目的は,お盆に帰ってきた先祖の霊を送ることのようである。「ボンタタキ」の道具は,わらを木槌で打って柔らかくしたものに縄を巻きつけたもので,親方が小さい子を指導して作る。芯にしたわらの根元の方からなわを巻き,穂先を20cmほど残す。この部分を握って,肩の上から振り下ろして地面を打つ。子どもたちは,その集落に伝わる「はやし唄」を歌いながら,立ちひざの姿勢で,一斉に地面を叩く。盆の1週間ほど前から,親方の指導で練習が行われる。唄は集落ごとに,歌詞や旋律,地面を叩くリズムも違う。
 ぼんたたきの日の夕方になると,各家庭は,庭先をきれいに掃除し,水打ちをする。子どもたちが「こんばんは。ぼんたたきに来ました」と子どもたちがあいさつををすると,家の人は「ご苦労様,お願いします」と言って出迎え,家中の人が縁先に行って見物するのがならわしである。
 時代の流れで,少子化とともに縮小しつつあり,現在は森川地区のみで,存続している。
   ◎当時唄われていたはやし唄
   *山路字中村・・・7月,月は真ん丸く,人の心も快く,今日はめでたし盆の夜さ。オマーケ,オマーケ。
   *小茂井  ・・・盆の夜さじゃに起きさっせ,寝えさっせ。旧7月の15日,まあひとつおまけにえんやらや。
   *船頭平  ・・・盆の夜さじゃに起きさっせ,ジッサもババサもヨメサも起きさっせ。年に1度のことなれば,後生の話もして   おくれ。阿弥陀如来の親様は,極楽浄土で喜んで,音楽入れてヒュードンドン,ヒュードンドン。やかましけれどごめんなさい。すいかのひとつも割あらっせ。
   *雀ケ森  ・・・ヒヨーリ,コイ。7月盆の15日,盆の夜さじゃに起きさっせ,寝えさっせ。ゴトン,ゴトン引くじゃに起きさっせ,寝えさっせ。すいかの1つも割あらっせ。

<学習のポイント>
  ぼんたたきを調べることで,地域に伝わる伝統行事に目を向け,地域への関心を高めよう。

<参考資料>
  「立田村史」「とべとべトンボ」

<問い合わせ先>
   愛西市教育委員会社会教育課 (0567) 37-0231
  愛知エースネットへ      トップへ