市木辻堂(いちぎつじどう)  <時代>江戸時代  <地域>西三河
市木辻堂と常夜灯 鶴亀のケヤキ板

<所在地> 豊田市市木町神明20(名鉄三河線豊田市駅下車,名鉄バス矢並線足助行乗り換え市木町下車,徒歩1分)
<概要>
  お堂(市指定有形民俗文化財)の大きさは,間口2間半(4.5m)・奥行き2間(3.75m)で,建材には主に松が使われ,屋根は茅葺(かやぶ)きの寄棟造である。周りからの見通しがよいことから「四つ見堂」とも呼ばれていた。 境内の北端には,1810年(文化7)の記銘のある石の常夜灯がある。辻堂の建築時期は明らかではないが,この常夜灯と同じころに建てられたと考えられる。かつてこの常夜灯辺りで,善光寺街道と 古瀬間街道が交わっていた。辻堂はこうした道辺に建てられたお堂で,街道を行き交う旅人の一時の休憩所であり,市木集落の人々のくつろぎの場であったと思われる。
  お堂の正面奥には観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が祭られている。また右奥には,雨ごい行事に使った鶴亀の板がある。この板は欅(けやき)の板で,鶴と亀が浮き彫りになっている。長い間雨が降らない時には辻堂近くの市木川でこの板を洗い,村中総出でお祈りをしたということである。霊験あらたかで,お祈りするとたちどころに雨が降り始めたと言われている。

<学習のポイント>
  愛知県内の主要な街道について調べてみよう。
  当時の市木集落の人々にとって,辻堂はどのようなものであったか考えてみよう。

<見学のポイント>
  市木町のバス停から北東(鞍ケ池方面)へ向かって歩くと,すぐ右に辻堂の屋根が見える。お堂に上がり,見上げると茅葺き屋根の構造がよく分かる。
<参考資料>
 「豊田の史跡と文化財」(豊田市教育委員会,昭和60年3月発行)
 「新豊田の文化財展」(豊田市郷土資料館,平成18年10月発行)

<問い合わせ先>
  豊田市郷土資料館  0565-32-6561
 

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