三州の粘土瓦(さんしゅうのねんどがわら)  <時代>江戸時代  <地域>西三河
鬼瓦制作 工場
伝統的な手掘りによる鬼瓦制作の様子 機械化された近代的な工場

<関係地>高浜市,碧南市,刈谷市
<概要>
  日本で初めて瓦が作られたのは,今から約1400年ほど前であると「日本書紀」に記されている。以後,貴族や武士の屋敷に使用されたが,庶民の家屋には使用が許されなかった。しかし,江戸時代になって,火事を防ぐために幕府が瓦の使用を奨励したことから瓦の産業化が促され,三州瓦(三州とは三河の国の別称)もこの頃出現したと言われている。三州瓦の伝統を守る鬼瓦には,鬼師とよばれる修行を10年以上積んだ職人によって,現在でも手掘りで作られているものもある。
  その後,生産性向上の様々な改良がなされたが,1951年(昭和26)に大量生産方式のトンネル窯を,1955年(昭和30)頃には真空土練機を三州産地が全国に先駆けて取り入れ飛躍的に生産量が増えた。
  三州粘土瓦は,高浜,碧南,刈谷を中心に生産されており,全国生産量の約55%を占める。三州瓦業界では,設備の近代化による品質の高度化や大量生産と合理化・自由化によるコストダウン,デザインの多様化,輸送網の整備などの努力によって,産地間競争に勝ち抜き,全国一の瓦産地の座を守っている。近年では,植木鉢やセラミック製品なども製造するとともに,業者間・産地間で技術や情報の交換といった協力が行われ,業界全体の発展を目指している。

<学習のポイント>
  粘土瓦が作られる様子について調べてみよう。
  技術開発や情報交換など,粘土瓦を生産していく上で,どのような工夫や努力がされているのか調べてみよう。

<見学のポイント>
  高浜市には,やきものの里かわら美術館があり,三州瓦の歴史や現在の様子が分かる。また,瓦を作っているところを見学できる工場もあるので,見学してみた。
<参考資料・ホームページ>
  「あいちの地場産業」
  高浜市役所ホームページ http://www.city.takahama.lg.jp// 

<問い合わせ先・ホームページ>
  高浜市やきものの里かわら美術館 0566−52−3366
  http://www.kawara-museum.takahama.aichi.jp/

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