愛知県蚕業取締所第九支所(あいちけんさんぎょうとりしまりしょだいきゅうししょ) <時代>大正時代  <地域>西三河
愛知県蚕業取締所第九支所 繭(まゆ)の入荷の様子(昭和16年頃)
「加茂蚕糸の歩み」より引用

<所在地>豊田市喜多町(名鉄三河線 豊田市駅下車徒歩5分)
<概要>
 愛知県蚕業取締所では,蚕病予防のための蚕卵検査や,蚕の品種改良に関する研究などが行われていた。 当時,愛知県は全国屈指の養蚕県で,当時の挙母町は西三河地方の繭取引の中心地として栄えていた。 この建物は,養蚕で栄えていた頃の挙母町を偲ぶことのできる遺産のひとつである。
 建物は1922年(大正11)に建てられ,構造は,鉄筋コンクリート造りで,平屋建てのコの字形の平面形をした建物である。 1911年(明治44)に,日本最初の鉄筋コンクリート建物が 建てられたが,この建物はその11年後に建てられたものであり, 初期の頃のコンクリート建築様式を現在に伝えている。
 1955年(昭和30)に蚕業取締所が廃止されたあと,この建物は,市立図書館などとして利用され, 2005年(平成17)11月には「豊田市近代の産業とくらし発見館」が開館した。
 この間、2000年(平成12)には,国指定の登録文化財に登録されている。

<学習のポイント>
 豊田市が蚕業の拠点のひとつであることを学習するための資料としたい。

<見学のポイント>
 蚕業の学習とともに,建物の建築様式も見学して学習させたい。豊田市近代の産業とくらし発見館では,豊田市域の近代産業についての学習や,技術の体験ができる。

<問い合わせ先・ホームページ>
 豊田市郷土資料館 (0565) 32-6561 http://www.toyota-rekihaku.com/
 豊田市近代の産業とくらし発見館 (0565) 33-0301

 


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