吉胡貝塚(よしごかいづか) <時代>縄文時代 <地域>東三河
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吉胡貝塚の碑 |
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<所在地>田原市吉胡町矢崎 (豊橋鉄道渥美線三河田原駅より田原市巡回バスぐるりんバス童浦線 吉胡台下車)
<概要>
吉胡貝塚(よしごかいづか)は,縄文時代後期から晩期にかけての貝塚遺跡で,人骨が大量に発見されて有名になった。面積も約5,000uとこの地方では大規模である。1922・23年(大正11・12),京都帝国大学教授清野謙次博士の調査で312体の人骨が発見され,一躍有名となった。1951年(昭和26)の文化財保護委員会の調査は,文化財保護法に基づく国内第1号の発掘調査で,この年12月26日,国指定史跡となった。これまでの調査で362体もの人骨が見つかっている。埋葬は死者の手足を折り曲げる屈葬(くっそう),手足を伸ばして埋葬する伸展葬(しんてんそう),土器の中に子ども遺体や骨を入れる土器棺(どきかん),集骨葬など,様々な形態が見られる。人骨の多くには縄文時代の風習である抜歯(ばっし)が,また特殊なものとして叉状研歯(さじょうけんし)が見られる。埋葬を中心とした縄文人の精神的な生活を研究するには欠かせない遺跡である。
貝塚からは,土器,石器,骨角器などのほか,装飾品・呪術品が見つかったほか,様々な動物の骨,貝が見つかっており,当時の自然環境,それらと共存し暮らした縄文人の姿が浮かび上がる。
現在はこの地に「シェルマよしご」吉胡貝塚史跡公園が整備されている。人骨の発掘された調査場所が保存,再現されているほか,発掘調査で発見された熟年女性人骨を主人公にした資料館展示は,ジオラマで現した暮らしの風景の展示と共に視覚的で分かりやすい。
<学習のポイント>
人骨の発見は全国一であり,歴史の教科書にも縄文時代の重要遺跡として扱われている。縄文時代の精神生活や生活の技術,また当時の自然環境について理解を深めたい。
<見学のポイント>
現在は石碑以外にも,資料館や屋外での貝塚の復元展示,人骨の発掘再現展示などがあり,当時の生活の様子などを実感することができる。また,資料館では,様々な「体験学習教室」もあり,随時火おこしや石器つくりなどの体験が行える。
<参考資料>
「愛知県の歴史散歩」 「図説東三河の歴史」 「国指定史跡吉胡貝塚整備事業報告書」
「田原の文化財ガイドT」 「吉胡貝塚資料館展示案内」
<問い合わせ先・ホームページ>
吉胡貝塚資料館 0531-22-8060 http://www.yoshigo.gr.jp
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