しかうち神事(しかうちしんじ)  <時代>時代不詳  <地域>東三河
シカ(アオキ)に矢を射る イノシシ(スギ)に矢を射る

<所在地> 東栄町 (JR飯田線東栄駅下車 町営バス東栄線「本郷」下車)
<概要>
 昔から農村では,シカやイノシシによる作物への被害が多く,農民の生活を苦しめるものだった。農耕地の狭い山間の村々では,その被害は大きかったと推測される。しかうち神事はこうした被害に対し,草木で作ったシカを作物を荒らす害獣に見立て,矢を放つことで被害から免れたいという農民信仰から生まれた行事である。いつ頃から始まったかは定かではなく,現存する史料では布川に伝わる1848年(弘化5)のものが最古である。しかうちに類する行事は九州,沖縄,三遠南信地方に見られる。東栄町内では月,布川,小林,古戸地区の4地区で行われ,昭和58年3月7日に県の無形民俗文化財に指定されている。
 月,布川,小林では,旧正月に行い,古戸では初午(3月頃)に行う。地区によりやり方が少しずつ異なっているが,スギやアオキの葉を束ねたシカを作り,そのシカに向けて矢を放つ。五穀豊穣,豊猟,害獣の追放という意味に加え,子孫繁栄や厄除けの意味ももつ。 
<学習のポイント>
 地域に伝わる伝統的な行事を調べることで,人々の苦労や願いを探るきっかけとしたい。 
<見学のポイント>
 東栄町の4地区では,開催日時が異なるため東栄町役場経済課にて日時を確認したい。
<参考資料>
  「東栄町誌 伝統芸能編」  写真出展:東栄町教育委員会 
<問い合わせ先・ホームページ>
 東栄町役場 経済課 0536-76-1812 http://www.town.toei.aichi.jp/

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